NHK経営委から「ノー」 橋本会長退任年内にも?

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   NHKが再び迷走している。受信料値下げを盛り込んだ次期経営計画がNHKの最高意思決定機関の経営委員会に承認されなかった。橋本会長以下の執行部と経営委員会の溝は深く、NHK改革は宙に浮いた格好。橋本会長の去就も取り沙汰されている。

民間企業なら社外役員全員が「ノー」突きつけた形

橋本会長の去就が注目されている src="https://www.j-cast.com/images/2007/tetn07-3853_pho01.jpg" border="0" />

橋本会長の去就が注目されている

   執行部と経営委はこれまで受信料の値下げ幅をめぐって対立してきた。執行部は次期経営計画では約7%の値下げを示したが、2ケタの値下げを求めていた経営委は経営計画そのものを却下、1年後の再提出を命じた。この経営計画は本来、2007年9月に決定するものだった。

   経営委は経営計画を却下した"理由"について、法令順守体制や将来ビジョンなど8項目について「具体性が乏しい」という見解を出した。古森委員長(富士フィルムホールディングス社長)は「求められているのは中途半端な値下げではなく、抜本的な改革だ」と述べている。

これは異例な事態である。民間企業でいえば、経営陣の提出した経営改革に対して社外役員全員が「ノー」を突きつけたことになる。民間企業ならトップの社長辞任か執行部全員の辞表提出というケースである。

   これに対して、橋本会長は「経営委に不十分と指摘されているが、お互いに意見を交えて計画を練り上げていきたい」と述べた。しかし、普段は温和そのものの橋本会長だが、会見では経営委が執行部の業務にまで踏み込んだことに強い不快感をにじませていた。
執行部と経営委の間は、ぬきさしならない関係になった。「NHK執行部が次期経営計画を経営委の承認を受けずに発表したのは異例。また、経営委が行なった『見解』表明も執行部には知らされていなかった。両者の溝は簡単には埋まらない」(NHK担当記者)

次期会長には西室氏や丹羽氏らの民間起用説


   既に、NHK執行部は「守旧派」、経営委は「改革派」という色分けが出来上がったようだ。そうでなくても執行部には逆風が吹いている。春先から職員の不祥事が続いており、9月には会計検査院から子会社など関連団体の8百億円もの利益剰余金が指摘された。

   解決の糸口さえ見えないNHK改革だが、どのような決着の仕方があるのだろうか。「ここまでこじれたのだから2ケタの値下げと大胆なリストラを含んだ改革という2点セットを示さない限り経営委は納得しまい。橋本会長の退任が早まる事態もある」(同)。

   橋本会長の任期は08年1月まで。次期会長には西室泰三・東京証券取引所会長(元東芝会長)や丹羽宇一郎・伊藤忠会長ら民間人の起用がささやかれている。豊富な人脈、国際性を兼ね備えた西室氏が最有力といわれている。経営委とのこじれた関係が長引くようだと、橋本会長辞任-西室会長誕生が年内にもありそうだ。

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