高知県が地域活性化を図るために開設したネット掲示板サイト「ぷらっとこうち」が廃止されることが決まった。相次ぐ「マナー違反」の書き込みが増え、議論の場として機能しなかった、というのが廃止の理由のようだが、「自治体が運営する地域の掲示板」ならではの意外な問題をはらんでいた。
実名を推定したり、特定しようとする投稿に悩む
高知県はネット掲示板「廃止」について「お詫び」
高知県は2007年10月3日、同県が運営するネット掲示板「ぷらっとこうち」を事実上廃止すると発表した。同掲示板は「高知県をよくしようとする人たち」が気軽に行政についての議論を交わせるようにと05年9月から運営を開始。これまでに787名が参加登録し、26万3,644件のアクセスがあった。 当初は、子育て中の女性の書き込みから子育ての講演会が実施されたり、県職員と県民が人口減少・少子高齢化について交わした議論が同県の提案書に反映されるなど、ネット掲示板での議論が具体的な実践・提案にまでつながるケースもあった。
しかし、「マナー違反」の書き込みが増え始めたため、同県は06年8月に書き込みができなくなる措置を講じた。「マナー違反」とは何だったのか。 同サイトの事務局である県政情報課はJ-CASTニュースの取材に対し、
「ハンドルネームでも実名でも書き込める形式だったが、ハンドルネームで書き込んだ個人について、実名を推定したり、特定しようとするものが多かった」
と話す。当初は問題のある書き込みについては一時「保留状態」にして閲覧不可にする措置を講じていたが、その作業が県庁の担当人員では追いつかない状態にまで追い込まれた。
巨大掲示板「2ちゃんねる」やSNS「ミクシィ(mixi)」などでは、ハンドルネームで書き込むことが何の抵抗もなく流布しているが、「ぷらっとこうち」では県政に関する議論は実名で書き込むべきだといった根強い議論があり、ハンドルネームは適当ではないといった論調が過剰にヒートアップしてしまったようだ。