あいさつせずに「うん」だけ 「『うん子』かと怒鳴りたい」

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   小学校で配布された「学校だより」に掲載された校長先生のコラムが波紋を呼んでいる。あいさつをきちんとせずに「うん」としか言わない子どもが多い現状に対して「おまえは『うん子』かと怒鳴りたくなる」などとつづったものだが、保護者などから「言葉遣いが不適切」「気分が悪い」などと苦情が寄せられたというのだ。その一方で、教育委員会や学校側に寄せられた意見は、校長に同情的なものもあるようなのだ。

「どついたろか!という気持ちになってしまいます」

   発端となったのは、横浜市立西寺尾小学校(同市神奈川区、児童数407人)で2007年9月28日に配布された「学校だより10月号」。毎月各家庭に1枚ずつ配布されるもので、毎号校長が文章を書いている。10月号は約320枚が配布された。同号に掲載されたのは、「うん子」というタイトルの、あいさつの重要性を訴える文章で、「元気な『はい』という返事はとても気持ちのいいものです」との書き出しで始まる。その一方で、現状では必ずしも「はい」という明朗な返事が多くはないことを指摘。さらに、

「『分かったのかな』と聞くと『うん』。もう腹が立ってきて『うん、じゃなくてはいでしょ』と言うと、やっぱり『うん』。おまえは『うん子』かと怒鳴りたくなるわたしのこの気持ち分かってもらえますでしょうか」

と、「うん子」という独特な表現で、自身のいらだちを表現している。また、文章中には、

「(用事を頼む時に)『ええ!わたし?』とか、『どうして?おれ!』とか言われると、何だこいつは!どついたろか!という気持ちになってしまいます」

と、「どつく」と、少々穏やかではない表現も含まれている。

   同校の吉田秀一校長によると、発行直後から10月初旬にかけて、保護者からPTA会長経由で「言葉が不適切」「不快だ」といった苦情が学校に寄せられたという。

   さらに、10月5日の市議会決算特別委員会で、仁田昌寿市議(公明党)が「人権意識に欠けた内容なのではないか」などと質問。

   それに対して、押尾賢一教育長は「誠に遺憾で不適切。実態を調査し、適切に対処したい」と答弁。中田宏市長も「びっくりした。言葉をわきまえて教育にあたっていただきたい」と、同様の見解を示した。これを受けて、10月6日の各紙が、地方面で、この話題をいっせいに報じた。議会での質問をきっかけに、波紋が広がった形だ。

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