ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、従来のプレイ・ステーション3(PS3)より1万円安い新型PS3(40GB)を発売する。「ハードの値段が高い」とのユーザーの不満に応えた形だが、一方でPS2のソフトとの互換機能を外してしまった。もともとPS3用ソフトは少ないところにこれでは、「ゲーム機の用をなすのか」という皮肉な見方も出ている。
割安にした分、新型では一部の機能が削られている
PS2ソフトが使用不可のPS3は売れるのか?
SCEは2007年10月9日、新型のPS3(CECHH00シリーズ)を、07年11月11日に国内市場向けに発売する、と発表した。新型PS3の希望小売価格39,980円(税込)。従来のPS3(20GBモデル)の4万9,980円(発売時)に比べ、ちょうど1万円安くした。40GBのハードディスクドライブ(HDD)を搭載し、従来のクリアブラックに加えて、PS3では初めてとなるカラーバリエーションのセラミック・ホワイトも同時に発売する。
その一方で、同社は07年10月17日から、従来のPS3・20GBモデル、60GBモデルの本体価格を希望小売価格44,980円(税込)と54,980円(税込)にそれぞれ変更する。従来に比べ5,000円値下げしている。
「お求め安い価格」とSCEがアピールしている新型PS3はそれよりさらに5,000円安くなっただけだ。
しかし、割安にした分、新型PS3では一部の機能が削られている。PS2のソフトが利用できる互換機能が外され、メモリースティックやSDメモリーカードを利用できるカードスロットやUSBポートを減らしたほか、優れた音質でCDを再生するSACD(スーパーオーディオCD)機能も付いていない。さらに、付属するコントローラーに振動機能は搭載されておらず、振動機能つきPS3用コントローラーが5,500円(税込)で別売される。
最も大きいのはPS2ソフトが利用できない点だ。SCEは、発売されたソフトが40タイトル以上に達したことを「ラインナップの充実」と評し、今回の互換機能の撤廃の理由に挙げている。それでもまだPS3専用のソフトが充実していないというのが現状だ。
2007年10~11月に発売される予定のPS2ソフトは約70タイトルであるのに比べると、PS3ソフトの同じ時期の発売は、新機種にもかかわらず20タイトルにも満たない。2007年9月24~30日の週間ゲームソフト販売ランキング(速報)によれば、トップ10にPS2用ソフトは3タイトルランクインしているがPS3ソフトはランク外となっているというのが現状だ(エンターブレイン調べ)。