賞金女王ランキングのトップを走るプロゴルファーの上田桃子さん(21)が、テレビ番組でした発言を巡ってネットでバッシングを受けている。番組では、小学生時代の話を振り返る形ではあったが、バレーボールやバスケットボールを「先がないスポーツ」と話していた。
「他のスポーツを分かりもしないのに」と批判の声
テレビ番組での発言を巡ってお詫びの言葉をつづった上田桃子さんのブログ
桃子さんの発言が飛び出したのは、2007年10月7日深夜に放送されたTBS系のドキュメンタリー番組「情熱大陸」の中。インタビュアーに対して、次のような話をした。
「自分は、あの、ははっ、意地汚いというか何なのか分からないんですけれども、同級生とかで、バレーとかバスケとかをしてる子が、もう不思議でしょうがなかったと言うか、先がないスポーツを何でできるんだろうと思ってて」
これに驚いたのが、インタビュアーだ。すかさず、「先がないスポーツ?」と再質問した。桃子さんは
「プロっていうものがないじゃないですか。どうしてそこまで頑張れるのかなっと思って」
と説明したうえで、稼げるスポーツとしてゴルフを選んだと明かした。
この場面が放送されると、桃子さんのブログ「桃尻桃子の『待ってろ世界!』」には、批判的なコメントが相次いだ。「他のスポーツを解りもしないのに語らないでほしい」「思ったことを何でもずばずば言えばいいというものではありません」などと、10月9日までの2日間で800件ほどが寄せられ、炎上状態になっている。2ちゃんねるでも、スレッドがいくつも立ち、話題になっている。
しばらくブログの日記更新を事務局に任せていた桃子さんも8日、こうした事態に自らお詫びの一文を書き込んだ。
「友達はバレー部やバスケ部に入っていて、その頃はその世界にプロの世界があると思ってなかったので、どうして、そこまで頑張れるんだろうと不思議でした。取材中もそんな話をしてたつもりだったんですが…」
と弁解し、
「そういったつもりでなくても、自分の発言には今からもっと注意すべきだと感じたし、沢山の方に失礼なことを言ってしまった事を心からお詫びします」「私自身もっと大人になっていかないといけないと思うし、一つ一つの行動、言動には注意すべきだと思いました」
と反省の弁を述べている。
「バカにした発言ではない」と弁解
J‐CASTニュースでは、さらに、桃子さんのマネジメントをしている江連忠ゴルフアカデミー(神戸市)にも聞いた。桃子さんが頭角を現したのはここ1、2年だけに、取材対応に不慣れで混乱した様子だったが、ゴルフアカデミーの役員は「(桃子さんは)プロになると思うから頑張れるが、そうでないのに頑張るのはすごいという意味で言った」とあくまで桃子さんの個人的な立場と比較しただけと説明した。「両スポーツをバカにした発言ではない」ともしている。
日本バレーボール協会や日本バスケットボール協会によると、バレーやバスケットにはプロチームはないが、プロ登録している選手は何人かいるという。これに対し、前出の役員は「小学生時代には、プロも少なかったはずだし、幼いので、いても分からなかっただろう」と話した。
それでは、なぜ批判を浴びたと考えるのか。前出の役員は「発言の前後がカットされ、その一部だけが放送された」と不満を漏らす。これに対し、「情熱大陸」を制作した毎日放送(大阪市)の広報担当者は、J‐CASTニュースに答える形で、「不満にはコメントのしようがありませんが、全体のトーンからすると、ほかのスポーツを揶揄するふうには受け取られないと思う」と話す。そして、「プロデューサーに聞いたところ、(発言を)ねじ曲げたつもりもなく、ねじ曲がっていたとも思わないとのことでした。上田さんの本意と違って受け止められたのは残念で、上田さんに心労をかけて大変申し訳ないと思っています」ということで、ちょっと分かりにくい「弁解」だった。
バレー、バスケットの両協会では、桃子さんの発言について、今のところ静観の構えだ。J‐CASTニュースの取材に対し、「意見を言うことは自由なので、協会としてコメントすることはございません」(日本バレーボール協会)「団体競技に魅力を感じないとすれば寂しく残念なことですが、発言はバスケットボールへの批判ではないと思います」(日本バスケットボール協会)としている。
この騒ぎが、終盤の賞金女王レースに影響しないだろうか。江連忠ゴルフアカデミーの役員は、「上田はとてもショックを受けています。影響はないとは言えませんが、ないように努力するだけと思っています」と話している。