「市民が主役」オーマイニュース 読まれるのは「プロ記事」ばかり?

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

「編集部発」の記事が増えているのは元木編集長の方針

   平野氏自身も10月3日になって「そんなに単純ですか?市民記者が辞める理由って」という「続報」を掲載、「編集部批判のメッセージはしっかり受け止めます」としながらも、市民記者の稼働率については、ログインしている記者数で計算すると

「(編集部を批判している記事で用いられているのと)同じ母数を使っても、稼動は9~12%となり、印象は変わってきます」

と反論している。

   もっとも、紙面活性化に向けての新たな動きもある。オーマイニュースの改善・発展に協力する「市民記者編集委員」なる制度が導入されたのだ。07年9月に6人が選出され、任期は3ヶ月。先述の問題提起記事を書いたのも「編集委員」だ。サイトのトップページには「市民記者編集委員コーナー」が設けられ、各編集委員による「オーマイニュース論」が展開されている。

   ただ、この制度導入についての不安要素もなくはない。元木昌彦編集長は、07年7月下旬に行われた市民記者との会合で、編集委員の選出プロセスについて問われ、このように答えているのだ。

「韓国の編集委員制度を日本に導入すると言う(呉連鎬)代表の意向なのだけれど、選ぶのはムツカシイと言ったのですが。それで第1回はとりあえずこれ(編注: 「月間市民記者賞」の受賞者から選ぶ)でお願いしようと思います」

   受け取り方によっては、「韓国から言われたので」と、消極的に導入された、との見方も出来そうだ。

   オーマイニュース編集部では、J-CASTニュースに対して、「編集部発」の記事が増えているのは元木編集長の方針であることを明らかにしたうえで、

「ただし、市民記者の記事を増やせるようにこれからも努力して参ります」

とコメント。今後の元木編集長の舵取りが注目されるところだ。

   現状では市民記者と編集部との温度差は相当大きそうだが、編集部を批判する記事が編集部のチェックを通ってサイトに掲載されているあたり、まだ議論の場としての機能は果たしていると言えそうだ。

1 2
姉妹サイト