市場シェアは「3位+4位」でも上位に遠く届かず
ヤマトHDと佐川急便を「追撃!」と威勢よくいきたいところだが、「郵政+日通」の前途はそんなに甘くはなさそうだ。08年度のシェアでは第1位のヤマトと2位の佐川急便で70%に迫ろうとしている。「郵政+日通」は3番手だが、シェアで20%に届いていない。たしかに4番手以下との差は広がったが、宅配便市場は成長の鈍化が鮮明になっていて、「各社の勝敗は決着済み」(岡三証券企業調査部の宮本好久氏)と、悲観的に見る向きもある。
国際物流に目を向けても、競争は激しい。「日通も日本郵政も貨物を取りまとめる機能は優れているものの、商船三井と近鉄エクスプレス陣営や日本郵船とヤマトHD陣営とは異なり、自身で海運などの手段を持たないことが、決定的に競争力に欠ける」(宮本氏)という。実際に、日通は海運や航空の利用運送費が利益を圧迫しがちで、コスト管理に苦慮しているもよう。その一方で、9月26日に中国海運グループと合弁会社を設立し、日中間の輸送網の開発に乗り出すことを発表。国際物流での競争力強化に躍起だ。
かたや日本郵政は、国際物流事業やプラント事業を手がける山九と、公社の時代から組んでいて、「SBY」(SANKYUビジネスゆうパック)を展開してきた。法人限定のサービスだが、国内の集配送も扱っていて、日本郵政は集配送のみを扱い、山九は倉庫での保管等を扱う。山九によると、同社が取り扱う国内「ゆうパック」は年間140万個に上るという。山九との提携は、基本的に国際物流の分野だが、日通とのあいだでやろうとしている国内物流の分野でも一部実施していたことになる。
山九は「郵政+日通」の業務提携について、「事前の話は特になかった」(郵政・物流提携タスクフォース班)という。ただ、「郵政とは毎週ミーティングの機会を持っていますし、(環境の変化をみれば)このようなことが起こるのは想定の範囲内ですから。今回の提携はペリカン便とゆうパックが国内でシェアを上げる話と考えています。わたしどもは国際物流ですから、いまと変わらずに業務を続けていきます」と淡々と話す。
山九株は郵政関連銘柄としても注目されていて上昇傾向。5日も10円上がって673円になっていた。