ベルギーのバラバラ殺人犯「キラ」 「デスノート」でなく「ジョジョ」?

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   ベルギーの首都ブリュッセルの公園で、切断された白人男性の遺体の一部が見つかった。遺体のそばに「WATASHI WA KIRA DESS」とローマ字書きされた2枚のメモがあったことから、現地マスコミは、日本の人気マンガ「デスノート」の主人公の別名「キラ」ではないかとし、マンガに触発された猟奇殺人ではないか、と報じた。しかし日本のマンガファンの間には、「キラ」はこんな殺し方はしない、とし、もしマンガに関係する名前だとするなら、累計7,000万部以上売れている「ジョジョの奇妙な冒険」に登場した殺人犯「吉良」なのではないか、という声がネット上に出ている。

日本で2700万部、世界で430万部売れている大ヒット

「ユーチューブ」でも「ジョジョ」の話題で盛り上がっている
「ユーチューブ」でも「ジョジョ」の話題で盛り上がっている

   ベルギーで起こった事件は、2007年9月28日夕刻、遊歩道の脇にむき出しの状態で若い男性の両もも、下腹部が放置されていたのを、公園を散歩中の市民が発見した、というもの。遺体のそばには、2枚のメモがあり、別々の色のインクを使って手書きで「WATASHI WA KIRA DESS」と書かれていた。この事件を伝えた地元のテレビ映像が「ユーチューブ」にアップされていて、「日本のマンガに関係あるのではないか」とし、書店に並べられている「デスノート」を撮影。マンガに描かれている「KIRA」の文字をアップ画像で放映した。

   「KIRA」は、このマンガの主人公の夜神月(やがみ らいと)の別名。高校生の夜神は、殺したい人間の名前を書くとその人間が死ぬデスノートを拾い、世界中の犯罪者の名をノートに書き込み、犯罪者が存在しない理想の新世界を作ろうとする。コミックスは12巻出版されていて、日本国内で2,700万部、世界14カ国で430万部売れている大ヒットマンガで、実写映画化され、アニメにもなりゲームソフトも発売された。ブリュッセル市内では07年1月から仏語版が、同4月からオランダ語版が販売されていて、「KIRA」というメモ書きから「デスノート」を連想するというのは大人気になっている証拠なのだろう。

   このニュースを聞いた日本のブロガー達は、「日本がまた悪く言われるのではないか」「事件の原因をまたアニメのせいにするのか」などと書いていたが、「デスノート」ファンからはこんな声が上がってきて、それが次第に多くなっていく。

「何キラぶってんのとかおもた!!!しかもそんな殺し方は無い」
「犯罪者に粛清するのがKIRAやん なのに自分が犯罪者になるなんて」

「吉良」は相手をバラバラにしてしまう殺人鬼

   そして、

「月たんはそんな子じゃありません。それともジョジョの吉良か、そうなのか」

というのも出てくる。つまり、殺し方を見ると「デスノート」の「KIRA」に影響されたものとは考えにくい、というのだ。これについて「デスノート」を発刊している集英社広報も、07年10月4日付の「サンケイスポーツ」で、「KIRA」の殺人について、

「全巻の確認はしていないが、頭脳明晰なキラがナイフなどを使って人を殺すシーンはない」

と答えている。

   それならば「KIRA」とは何なのか。仮にマンガの影響を受けている人物が書いたメモだとすれば、「ジョジョの奇妙な冒険」に登場した殺人者「吉良吉影」(きら よしかげ)なのではないか、とネットで囁かれているのだ。「ジョジョ」も全世界でヒットしているマンガで、売れたのは「デスノート」を遥かに上回る7,000万部以上と言われ、アニメ化されゲームも出ている。

   「ジョジョ」に出てくる「吉良」は連続殺人鬼で、手のきれいな女性に異常な興味を示し、殺した女性の手だけを持って帰る。「キラークィーン」という相手を爆発させる「スタンド」(超能力)を持ち、相手を消滅させたりバラバラにしてしまうのだ。

   「2ちゃんねる」には今回の事件に関してのスレッドが立っていて、

「KIRA」は「吉良」だ、というこんなカキコミが多数出ている。

「『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部じゃないの?吉良 バラバラ」
「むしろ吉良の方かな 今頃手首を懐に隠し持ってるはずだよ」
「上半身(と言うか手首)が無いと言うことは、吉良吉影のKIRAだろ」

   集英社は「KIRA」が「デスノート」の「KIRA」である可能性は否定しているようだが、それでは「ジョジョ」の「吉良」はどうなのか。J-CASTニュースが取材すると、同社広報は、

「そういう質問にはお答えできません」

ということだった。

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