女性用シャンプー秋の陣 泡立つシェア争い

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ヘアケアトップのユニリーバは資生堂に対抗心むき出しにする

   一方、ヘアケア分野でトップを自認するユニリーバ・ジャパン(東京都目黒区)は、「資生堂のツバキの挑戦を受けましたが、年間では06年もラックスが首位で、99年から続いている。今年の1~6月の半年間も首位です」と、対抗心をむき出しにする。髪の補修機能を強化し、保湿効果成分の「ヒアルロン酸EX」を配合したラックスの新シリーズ「スーパーリッチシャイン」シリーズを、資生堂の白ツバキCM発表会と同じ18日に発売した。25日には、東京・丸の内で、CMソングを歌う伊藤由奈さんのミニライブを開き、丸の内の女性たちにアピールした。CMにはハリウッド女優のレイチェル・ワイズさんが人魚姿で登場する。

   ラックスは、従来から髪の補修機能の高さを訴求してきたシャンプーで、消費者への浸透度も高く、資生堂も一目置いている。ブランド別シェアでトップのラックスを抜くことが各社の至上命題であり、資生堂は赤ツバキで一時達成した。その後ラックスが再逆転して首位をキープしている。

   各社のこうした動きに最も神経を尖らせているのが花王だ。主力のアジエンスを初めて全面刷新して10月13日に発売する。髪の毛の表面を保護している「MEA(メチルエイコサン酸)」という天然成分の脂質を羊の毛から抽出し、髪に強固に定着させる技術を新開発した。洗髪後に髪の毛本来のなめらかな質感が得られるという。

   花王のアジエンスは2003年10月の発売で、欧米の有名人モデルを多用した外資系メーカーに対抗して「アジアンビューティー」を提案。高価格帯のシャンプー市場に国産メーカーとして挑戦し、市場活性化の引き金を引いた。今回もアジアの黒髪を強くアピールするため、女優の後藤久美子さんと、チョン・ジヒョンさんの2人を起用する。

   国内ヘアケア市場は3,000億円規模で、米国に次ぐ巨大市場とされる。ただ販売数量は多いものの、ドラッグストアで値引き競争にさらされ、売り上げが伸びない成熟市場とみられていた。しかし、高価格帯の市場活性化で「数パーセント伸びた」(ユニリーバ)。シャンプーの定番商品は600円台だが、高価格帯商品は800円前後と高く、安売りしなくても売れると販売店も歓迎なのだ。かつては家庭に1本あればよかったシャンプーが、「私のシャンプー」と1人1本へと変化している。

   メーカー別のシェア争いは激烈を極めており、市場調査会社の調べでは、花王が昨年9月から首位となり07年7月では25%前後を占める。以下、ユニリーバ20%、資生堂が17%、P&Gは14%前後の順だ。ただブランド別シェアは毎週順位が替わる戦国時代。新製品が出ると、一度はお試しで買ってみる女性たちが少なからずいるだけに、彼女たちがリピーターとなってくれるかどうかが、カギを握っている。

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