長井秀和のフィリピン美人局事件 振込先は静岡の信金のミステリー

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   「間違いない!」のお笑いタレントの長井秀和さん(37)が、フィリピンでこうむった美人局被害を巡り、静岡県の掛川・島田両信用金庫を訴えていることが分かった。現金計1,100万円の振込み先が両信金だったため、その返還を求めているのだ。なぜ地方の信金が事件の舞台になったのだろうか。

「信金が舞台は聞いたことがない」と外務省

長井秀和さんが静岡の信金を相手に訴訟を起こしたことを伝える各紙
長井秀和さんが静岡の信金を相手に訴訟を起こしたことを伝える各紙

   事件が起きたのが、2007年5月30日。所属事務所によると、長井秀和さんがフィリピンで、声を掛けられた日本人男性と行動を共にし、コンビニでこの男性がフィリピン人の少女2人に声を掛けたことから「事件」が始まった。居酒屋に行くことになり、そこで意気投合した4人は男性の誘いでホテルへ。しかし、長井さんは10分ぐらいして、「よくない」と思い一人で帰ったという。その後、長井さんは、日本人男性と少女のことでフィリピン人の男数人に連れて行かれた。警察署らしき場所のように思えたといい、そこで別の日本人男性から「拘束すれば長くなるが、お金があれば出してやる」と言われた。

   ただ、指定された振込み先は、なぜか静岡県の掛川・島田両信用金庫だった。パニックになった長井さんは、日本にいた妻に連絡し、両信金に計1,100万円を払い込んでもらったという。解放された長井さんは、日本の警察にこのことを通報し、振込み先の口座を凍結してもらった。日本の警察でも、事件について捜査している模様だ。

   フィリピンでは、日本の地方信金に金を振込ませる犯罪がほかにあるのだろうか。在フィリピン日本国大使館が06年10月30日付で発表した渡航情報によると、首都マニラを中心に売春行為絡みの恐喝が相次いだという。しかし、現金を渡すのでなく、地方の信金に金を振り込ませるケースは、明らかにされていない。

   長井さんの所属事務所タイタンの太田光代社長も、J-CASTニュースの取材に対し、「指定されたのが信金だっただけ。なぜかは分からない」と言う。

   今回のケースは、フィリピン人ばかりでなく日本人も関わっているから、地方の信金が振り込み先に選ばれたのだろうか。それとも、芸能人だから狙われたのだろうか。しかし、振込先が海外送金に便利な都銀ではない点でも釈然としない。J-CASTニュースが外務省海外邦人安全課に聞いても、「そんなケースは、聞いたことがない」という。掛川・島田両信金とも、同様な答えだった。

信金では「訴える先が違うのではないか」

   所属事務所の太田社長によると、現地で声を掛けられた日本人男性や少女ら関係者の居所は分からないという。そこで、振り込んだ金を取り返そうと、掛川・島田両信金を相手取って「身柄解放金」の返還を求める訴訟を静岡地裁に起こし、その第1回口頭弁論が9月25日に開かれた。

   訴訟を起こした理由について、太田社長は「返金してもらうには、裁判所に訴えるしかないと聞いています」と説明する。掛川信金に振り込んだ金はすぐに、別の金融機関に送金されてしまったが、「そこで凍結されていると聞いています。しかし、訴えるのは振り込んだ先というので、そこを訴えました」としている。

   これに対し、掛川・島田両信金とも、答弁書で訴えの棄却を求めている。掛川・島田両信金では、J-CASTニュースに対し、それぞれ「訴える先が違うのではないか」「(原告が返金を要求する)権限があるか分からないので、棄却を求めた」と話している。

   なお、太田社長は、今回の騒ぎについて、「女性誌に掲載された少女とのツーショットは、居酒屋で撮ったもの。その少女は19歳で現地では(性交渉で)犯罪にならないが、長井はホテルでは何もしていない」と弁明。だが、少女と一緒にノコノコとホテルまでついて行ったことについて、「現地で気が緩んでしまい、コーディネーターも要請せずに行動したのは、軽率で危険なことだった」と話している。

   長井さんも、『常日頃『間違いない!』『気をつけろ!』と各所で叫んできた私ですが、灯台下暗し、ミイラ取りがミイラになる、という状態でお恥ずかしい限りです」とのコメントを残した。現在は、留学先のアメリカで語学の勉強に励みながら、反省の日々を送っているという。

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