利回りが下がることが、投資家保護?
アニメ・ファンドや映画ファンド、オンラインゲーム信託ファンドなどを運営するジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)も、「任意組合が運営するファンドにはそういった(コストアップ)要因があるのかもしれません」と話す。ただ、同社の場合は影響は少ない、とする。
同社は04年12月に改正された信託業法にともない信託免許を取得したが、それ以前(03年12月)に組成したアイドル・ファンド(グラビア・アイドルに投資するファンド)では、投資家保護のためのスキームづくりに腐心し、コストがかかったという。「そういった負担を軽減するためにも信託免許が必要だった」
金融庁に届け出て認可を受けた証券会社等(信託代理店)を通じて販売しており、販売コストが上がる要因は少ない。「リスクの明記や対応しなければならないことは多くありますが、当社のスキームでは金商法への対応で(商品の)利回りが低下するようなことは考えにくい」(JDC信託)という。
とはいえ、ニッチな「テーマ」のなかで、高利回りの魅力で集まってもらい、納得して投資してもらうプライベートファンドに、金商法の負担は軽くない。「金商法で、おかしなファンドが精査されることに異論はないですが、結果的に利回りが下がることが投資家保護なのでしょうかね」(グローバル・ファイナンシャル・サポート)と、首をかしげる。プライベートファンドのマーケットが萎みかねない懸念はあるようだ。