生産と消費の「分業」は世界的な潮流
海運株へのマイナス要因をあげるとすれば、円高と原油高。円高は115円を想定している会社が多く、現状のまま推移すれば、さほどの影響はない。原油高も「いまの水準であれば想定内の範囲」(川崎汽船)だが、いま以上に上昇することになれば株価の「下げ」要因になるとみている。
しかし、岡三証券企業調査部の宮本好久氏は「それもあまり心配しなくていい」という。 「海運株は、市況の影響を大きく受けます。為替、原油に市況までが悪化するとよくないですが、いまは市況が落ち込む要因がなさそう。円高や原油高の影響を市況が吸収してしまいます。中国やインド、東南アジアの生産国と、その完成品を買う欧州などの消費国の分業体制が世界的な潮流になるなかで、短期的な調整はあるでしょうが、海運株はまだ好調が続くと考えています」