2007年春から注目を集め夏に「ブレイク」したお笑いタレント小島よしおさん(26)が、秋に入っても「熱い」。9月以降も写真週刊誌「FLASH」に「激写」され、週刊新潮にも登場した。決めぜりふ「そんなの関係ねー」は流行語になりつつある。
大ブレイクで脇毛摩滅
「そんなの関係ねー」が人気だ
小島さんは、筋肉質の裸をさらし「海パン」一丁で登場、まずは「面白くない」ネタで客の失笑を「わざと」買うのがお決まりだ。一旦落ち込む風をみせ、直後にかかり始めるテーマ曲に合わせ突如元気になる。自虐ネタを披露した後「でもそんなの関係ねー」を大声で連発する。ネタの合間に「はい、おっぱっぴー」とおどけてみせる。「オ(お)ーシャン・パ(ぱ)シフィック・ピ(ぴ)ース」の略で「太平洋に平和を」の気持ちを表しているとされる。2つの言葉とも携帯電話の着信ボイスになる人気ぶりだ。「流行語大賞」をうかがうとの呼び声もある。
「そんなの関係ねー」と叫ぶときは、ガッツポーズの形をした左腕を左体側にこすりつけるような動作もセットだ。ポーズの回数が増えたため「脇毛が(こすれて)なくなった」と披露。「でもそんなの関係ねー」と笑いを取ったこともある。子供たちの間にも広がっていて、東京都内のある塾講師は、中学生に注意すると「そんなの関係ねー」と言い返され「頭に来た」と振り返る。
さらに、FLASH(9月25日号)は、9月5日の台風の最中「美女とデート」したとして、小島さんと女性の「ツーショット」写真を掲載した。また、週刊新潮(10月4日号)は、「ワイド特集」の6項目の中、朝青龍や細木数子さんネタを押さえ第1番目の項目で小島さんの家族ネタを取り上げるなど、露出ぶりはスター並みになりつつある。
「選挙結果、そんなの関係ない」
「そんなの関係ねー」で思い出すのは安倍晋三前首相。9月24日、「KY(空気読めない)辞任」直後から入院していた慶応大病院で「痛々しい」程元気がない様子で会見を開いた。9月12日の辞任会見では、主な理由として民主党の小沢一郎代表に党首会談を断られたことなどを挙げたものの、実は最大の理由は体調不良だったと明らかにした。「在職中に体調について自ら語るべきではない」という美学に基づいた言動のようだ。「前の会見では本当とは違うこと言ったけど、そんなの関係ない」と開き直ったようにも受け取れる。07年7月の参院選の自民党惨敗を受けた上での安倍氏の首相続投表明も、「選挙結果、そんなの関係ない」といったに等しい。
そこで、「流行語大賞」の元審査委員で新語アナリスト、亀井肇さんに「そんなの関係ねー」は「時代の空気」を現しているのでしょうか、とJ-CASTニュースが聞いた。ところが亀井さんは「いかにも時代と関係ありそうですが、私はないと思います。単なるゲテモノ芸ですね」とばっさり。
これも流行っている「どんだけー」のフレーズには、「閉塞感の中、それを打ち破ろうとする元気さを感じる」。「どんだけー」がはやりすぎたため、「そんなの関係ねー」が「一時的な代替物」として浮上しているに過ぎない、という訳だ。
「そんなの関係ねー」の流行語大賞入賞の可能性についても「私が委員なら、ダメを出しますね」と手厳しい。
亀井さんに改めて質問した。小島さんと安倍前首相は、「関係ねー」というキーワードで、「強い関係がある」のではないでしょうか――。答えは「少し強引な発想ですね」。
確かにそうかもしれない。でも「そんなの関係ねー」!?