輸入マツタケに異変 中国産激減、フィンランド参戦

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   秋の味覚の代表格であるマツタケは、庶民にとっては高嶺の花だ。その中でも、中国からの輸入物は比較的手に入りやすいとされてきたはず。だが、中国産食品の安全問題がクローズアップされ、今年は若干風向きが変わりつつあるようなのだ。

中国産マツタケは前年同期の半分程度の量

中国産マツタケはどうなる
中国産マツタケはどうなる

   国内で出回っているマツタケの9割は輸入物だとされ、07年5月に発表した06年の「農林水産物輸出入概況」によると、06年に日本が輸入したマツタケは1,719トン。そのうち中国産は1,197トンで、実に7割近くが中国産だ。ちなみに2位は北朝鮮産で05年の783トンからは経済制裁の影響で激減しているものの、同年には230トンが輸入されている。

   このように、例年だとほぼ「輸入物=中国産」というイメージだが、今年は安全面での不安から、消費者から遠のきそうなのだ。2007年9月15日の朝日新聞大阪本社版では、関西国際空港でカナダ産マツタケの輸入がピークを迎えていることを伝えているが、同時に中国産の輸入が激減している様子も伝えている。

「例年はカナダ産の約3倍入ってくる中国産マツタケが、今年は安全面を不安視されて前年同期の半分程度の量にとどまっており、カナダ産が注目を集めそうだ」

   実際、末端の店舗でも「中国離れ」の動きが出始めている。

   大手スーパーのイトーヨーカ堂に中国産マツタケの扱いについて聞いてみると、

「今年は、現状では扱う予定はありません」(セブン&アイ・ホールディングスの広報センター)

との答えで、慎重な言い回しながらも、取り扱いを事実上中止したことを明らかにした。経緯については、

「品質・価格設定がお客様にマッチしていることから、今年は、北米・カナダ産を中心に展開しています」

とした上で、

「『中国産全てが悪い』という訳ではありませんが、不安感があり、必ずしもお客様にご支持をいただけていない状況だ」

と明かす。中国産のイメージ悪化が直に影響していることを認めた形だ。

価格は5分の1、スウェーデン産が完売

   大手百貨店でも、独自の判断で「中国産離れ」を決めたところもある。そごう広島店では、現在はカナダ産・韓国産が店頭に並んでいるという。同店の販売促進部では、

「お客様は安心・安全を大事になさいますので、(中国産を並べるという)わざわざ不安を与えるようなことをする必要はないのでは」

と話している。

   一方、新たな輸入先を模索する動きもある。大阪・梅田の阪急百貨店では、8月末にスウェーデン産を売り出したところ、味と香りが国産品とそん色ないとされる一方、価格は5分の1程度という値頃感が受け、入荷した50キロが2日で完売した。中国産の扱いについては、

「バイヤーが、その時々で最適なものを仕入れています」(同社広報部)

と、特に方針は決まっていない様子だった。

   さらに、8月31日の産経新聞によると、フィンランド産が築地市場に「上陸」したといい、スウェーデン産を追撃する構えだ。これまで、フィンランドのマツタケは食習慣の違いからこれまで放置されていたが、国立森林研究所が日本市場に着目、輸出が始まったという。品質もスウェーデン産と同等とされ、日本市場でブレイクの可能性もありそうだ。

   そんな状況下で、中国産のシェアは、今後も低下しそうだ。

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