マルハも完全養殖に再チャレンジ
さらに、同水産研究所が07年8月9日に発表したところによると、02年生まれのクロマグロが6月28日から7月27日にかけて産卵し、完全養殖のサイクルが「2回り」した。8月1日時点で生存している稚魚数は約2万。大久保さんによると、出荷可能な状態まで育つのは10~20%だとのことで、「2,000~3,000匹は出荷したいですね」と意気込んでいる。
近畿大学が「最先端」を突っ走る一方で、「再チャレンジ組」もいる。
マルハも1987年から、クロマグロの完全養殖事業に取り組んでいたが、量産化には至らず、10年後の97年には「研究課題がまだ多く、採算に乗る見通しが立たない」といった理由で撤退に追い込まれていた。ところが、10年後の07年4月16日には、「近畿大学に続け」とばかりに、完全養殖に再チャレンジすることを発表したのだ。具体的には、07年から09年にかけて福山大学や長崎大学など4大学の専門家と協力して研究を進める。子会社の「奄美養魚」(鹿児島県瀬戸内町)を拠点に、07年度は卵1億粒を採取。09年度末までに体長20センチの稚魚5,000尾を育てたい考えだ。