日本IBMが経理業務を請け負う会社を設立
日本IBMも中国への業務委託を進めている。同社は2004年に購買部門66人分の業務を中国の上海に移管。コスト削減に繋がったほか、「業務を集中させて品質を上げるなどの効果があった」(同社広報)という。
さらに同社は自社向けのBPOサービスだけでなく、他の企業向けのBPOサービスの拠点となる「IBM大連センター」を中国・大連に設立した。企業の経理業務を日本語に堪能な中国人スタッフが一括して行うサービスを展開している。
中国でのBPOサービスは、コスト的には国内のアウトソーシングに比べ、少なくとも20~30%程度の削減が見込まれるとされている。あるアウトソーシング業界関係者は、
「短納期・大規模なエントリー業務などは、日本国内では人材の確保が困難になってきているが、中国の人材を活用することで大規模な処理・業務に対応できるのは大きなメリットだ」
と語る。
さらに、
「日本のホワイトカラーの生産性は先進国と比較して低い状況にあるが、業務を分解し最も適した場所で仕事を行うBPOは日本の労働生産性の向上にも貢献していくだろう。BPOサービスに対するニーズは今後もより一層拡大拡大していくと考えている」
一方、数は少ないが、中国の民間企業には日本企業の経理・総務の業務を受け持つ人材を募集しているところも出てきた。今後、経理や総務といった業務が中国の人材でまかなわれるケースが多くなるのは確かだ。