ライバルのスズキは、まだ1車種だけ
ライバルのスズキは、07年5月に「ワゴンR」を一部改良してCVTを一部グレードに搭載した。ようやく1車種だけ用意できたという段階であり、CVT搭載車のラインアップでダイハツはスズキに対して優位の状況にある。
一方で軽自動車の競合車種であるコンパクトカーは、トヨタ「ヴィッツ」「ラクティス」、日産「マーチ」「キューブ」「ノート」、ホンダ「フィット」、マツダ「デミオ」など、CVT搭載車は数多い。デミオは7月にフルモデルチェンジ、ヴィッツは8月にマイナーチェンジして商品力を高め、さらにフィットは10月に新型へと切り替わる。
新型車の発売が一巡して前年割が続く軽自動車市場にとって、コンパクトカーの新車攻勢は脅威だ。コンパクトカーを含めた小型車から軽自動車にダウンサイズする需要は減少する恐れがあり、軽自動車の販売量を確保するには、軽自動車ユーザーが次に乗り換える車も軽自動車を選ぶようにしていく必要がある。
だが軽自動車の販売好調期に、軽自動車の代替需要は刈り取り終わったとの見方もある。ユーザーに新車への乗り換えを考えさせるには、ユーザーの車との大きな違いを示さなければならない。そこで新車の発売予定が当分の間ないダイハツは、CVTを最大の売り物にして需要を開拓し、販売目標を達成する戦略を選んだ。