「痴漢逮捕」でゲーム発売見合わせ コクヨ「ここまでやるのか」?

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賛成も反対も意見は寄せられていない

   発売見合わせについて、コクヨに対し意見は寄せられていないのか、とJ-CASTニュースが取材すると、広報担当幹部は「(賛成も反対も)声は上がってきておりません」と答えた。広報幹部によると、逮捕・送検された契約社員は、07年3月から勤務している。8月からは契約更新し、12月まで働く予定だった。ゲームソフト「話心の素」の開発担当の1人だが、責任者ではない。開発グループの人数は公表していない。処分については、まだ詳しい情報を把握できていないとした上で「事実確認をした上で厳しい姿勢で臨む予定だ」と答えた。

   また、ソフトの発売中止もあり得るのかという質問に対しては「見合わせる、ということで発表している」と述べるに止まった。コクヨは06年にゲームソフト開発に参入した。同社HPによると、「話心の素」が4作品目になる予定だった。逮捕された契約社員は、ほかのゲーム開発にも関わっていた。ほかに関わっていたゲームソフトの回収はしないのか、という質問に対しては「考えていない」。「話心の素」の発売延期、回収との対応の「差」については、「逮捕が発売直前だったというタイミングを重くみた」と答えた。ゲームソフトの内容は、発売見合わせ措置とは関係ないとした。

   コクヨがゲームソフト発売を見合わせるのは、「過剰反応」なのか「スピード感がある決断」なのか「(一部のソフトだけ対応する)中途半端な対応」なのだろうか。

   企業の危機対応や法令順守(コンプライアンス)を巡り共著書もある、日本能率協会コンサルティングの才川哲治チーフコンサルタントの考えは以下のようなものだ。一般論として多くの企業は、法律的には問題ないとしても「コンプライアンスがしっかりしていない」という消費者の評判を気にして防御的に、やや過剰に反応する傾向がある。ただ過剰過ぎる反応をすれば営業的にマイナスになる可能性もある。そこで「どこで線を引くか」が問題になり、「手探りで消費者の反応を見極める」ことになる。コクヨの例については、「防御的に」新発売ソフトは発売を見合わせながら、営業的に影響が大きくなる過去の販売分までは踏み込まないという「線引きをした」と分析。「消費者の反応を手探りながら探りたい、という一般論によく沿った対応です。いい悪いは簡単には言えません」

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