東京都の緊急検査でも違反食品ゼロ
一方、東京都は、都民が中国産を「危ない」と感じている事を重く見て、中国産食品の緊急検査を行った。スーパーの店頭などから輸入食品を使った加工食品や農産物を約100点抜き出し、違反食品の発見をするためだ。しかし、担当者によると、
「9月11日現在まで、違反食品の報告は一件もありません」
と担当者はJ-CASTニュースに話す。そして、
「どうして中国産がこんなふうに扱われるようになったのかといえば、マスコミ各社にも言っているのですが、海外の報道と日本の現状がごちゃまぜになっているからです。日本の場合、違反食品が入ってきても、市場に出る水際で食い止めているわけですから」
と成果を誇る。
日本消費者連盟事務局長の水原博子さんは、
「中国だけが危ないと言っても解決しません」
という。「ポジティブリスト制度」が導入されてから、アメリカなど諸外国、日本産までも違反食品が急増したからだ。これまでは使ってもいいとされた農薬などが禁止され、大量に輸入している中国の違反食品が増えるのは当然といえば当然という理屈だ。水原さんは、日本がこれからも中国産を大量に輸入する方向にあるため、日本は農業の「先輩」として中国に安全な食品の生産技術を教えていかなければならない、と主張している。