ネット社会の中で「温もり」に飢えている?
精神科医の和田秀樹さんはJ-CASTニュースの取材に対し、「ハグ」の文化がない日本の若い世代で、「FREE HUGS」が話題になっているのは、ネット社会の反動ではないか、と説明する。つまり、メールのやり取りなどがコミュニケーションの中心になり、「温もり」に飢えているのでは、というわけだ。
バーチャルな世界だと本来の愛情を確認できないし、深い付き合いができない。喜びを分かち合えもしない。例えば、受験に合格したとしてメールで「おめでとう!」と返されれば嬉しいことは嬉しいが、直接会って「ハグ」してもらったり、「バンザイ!」してもらわないと、本来の「やったぜ!」という感覚にはならない、という理屈だ。
一方、海外では「ハグ」の文化があり、落ち込んでいる人などをボランティアで「ハグ」し元気付ける。「ハグ」の文化がない日本で、見知らぬ人との「FREE HUGS」が根本的な心の空白を埋めることになるかは疑問だとし、「FREE HUGS」が一過性のものなのか、それとも定着するのか、見守って生きたい、と和田さんは話している。