ユーモラスな語り口は、親譲り
福田氏は、一見堅物のように見えるが、おちゃめなところがある。森、小泉内閣2代の官房長官を務めた時代、数々の「福田語録」を残した。例えば、地元で2001年1月20日開かれた「新春の集い」で、森首相の失言をかばう役回りについて、
「今後もしばらくは『弁明長官』の役割が続きそうだ」
と漏らした。
また、小泉内閣で2004年4月6日、官房長官在任が歴代最長になり、記者会見で記者たちに、
「今は『秘密主義長官』ですか?それから何ですか?『影の外相』ねえ。『影の防衛長官』。いろいろ名前はありますが、まあ、しょせん影ですから」
と語りかけた。
こうしたユーモラスな語り口は、親譲りのようだ。亡父福田赳夫は、「狂乱物価」「日々是反省」「福田内閣はさあ働こう内閣だ」など数々の迷(?)言を残している。
ただ、福田氏にとって、野党が手ぐすねひいて待つ国会は、ユーモアだけで乗り切れるのだろうか。
福田氏は、取り囲んだ記者から困難な政治状況について指摘されると、照れ笑いを浮かべながら
「そうなんだよね。だから立ってくれよ、ということなんだよ。場合によっては『貧乏クジ』を引くかもしれんよ」
と上機嫌でおどけてみせた。