総理候補は世襲議員ばかり これでいいのか日本の政治

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   安倍首相の「KY辞任宣言」から1日がたち、「ポスト安倍」に向けての総裁レースが始まろうとしている。スポーツ紙の中には、立候補しそうな議員を競馬の「出走表」の形にして掲載、「超良血」などと業界らしいユーモアを交えて当落予想をしている。「良血」とは、馬の血統の良さを表す言葉だが、調べてみると、候補として取りざたされている候補の大半が「良血」の世襲議員。どうやら政治の世界でも今や血統頼りらしい。

「古馬ながら今もなお人気抜群」は誰?

次の「官邸の主」は誰だ
次の「官邸の主」は誰だ

   2007年9月12日の突然の退陣会見から1夜明けた9月13日午前、安倍首相は、疲労やストレスが原因で胃や腸の機能に異常が見られる「機能性胃腸症」と診断され、東京・信濃町の慶応義塾大学病院に入院、午後の自民党両院議員総会の出席にもドクターストップがかかった。

   そんな中、同日夕方に開かれた臨時総務会では、総裁選のスケジュールが「9月14日告示、15日立候補受付、23日投開票」と決まり、総裁選レースへの段取りが整った。

   そうなると、注目されるのは、「誰がレースに『出走』するのか」だ。「遁走」した「超良血」安倍首相の後釜には、麻生太郎幹事長が有力視されているほか、額賀福志郎元防衛庁長官や福田康夫元官房長官が出馬に意欲を示しているとされる。また、小泉純一郎前首相は、現段階では出馬要請を固辞していると伝えられている。

   「東京中日スポーツ」では、9月13日の紙面で、候補になりそうな自民党議員を競馬の「出走表」の形で、当落予想とともに14人も並べてみせた。その中には、「鳩山邦夫」「中川昭一」「船田元」「武部勤」「山崎拓」といった、「着外」に見えるメンバーもいる。

   「寸評」の欄には、

「『マダム・スシ』は健脚」(小池百合子氏)
「2度の『落馬』あり」(額賀福志郎氏)
「当選12回の古馬ながら今もなお人気抜群」(小泉純一郎氏)

といった、競馬業界になぞらえたコメントが付いている。

「たたき上げ」に近そうなのは、小池、武部、山崎氏くらい

   競馬といえば、血統が重要視されるが、「寸評」の中にも

「北のサラブレッド」(中川昭一氏)
「育ちは良いが口は悪い良血馬」(麻生太郎氏)

といった血統を意識するコメントがみられた。

   だが、実は2議員のみならず、14人のうちの過半数が「世襲議員」なのだ。4世議員の鳩山邦夫法相をはじめ、3世議員は船田元議員など3人、2世議員は高村正彦防衛相など5人いる。残る「1世議員」5人についても、例えば与謝野馨官房長官は、祖父母は歌人で父は外交官と、かなりの血統の良さだ。「たたき上げ」に近そうなのは、小池氏、武部氏、山崎氏ぐらいだろうか。

   ちなみに同記事の予想によると、

「本命は超良血・麻生氏」

なのだそうだ。

   一方、「東京スポーツ」では、角度を変えて、「誰がやる? 辞任安倍の尻ぬぐい」と題して、新橋、名古屋、大阪、岡山など全国各地で街頭アンケートを行い、次期首相は誰がふさわしいかを聞いている。それによると、トップはダントツで麻生氏(28%)。小泉氏(15%)、小沢一郎民主党代表(9%)、福田氏(5%)などが続いている。

   政権交代への期待感からなのか、野党である民主党からは、小沢代表以外にも岡田克也元代表が3%の支持を得ており、町村氏と並んで7位にランクインしている。

   ちなみに、小沢氏も2世議員で、岡田元代表の父は岡田卓也・イオングループ名誉会長と、いずれも血統の良さが目立っている。

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