「ウルトラマン」は消えず 円谷プロ、倒産寸前で救済

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   国民的キャラクター「ウルトラマン」をもってしても、産みの親である円谷プロの業績悪化と、多額の有利子負債は消えなかった。複数の映像コンテンツ制作会社をグループの傘下に置く、事業持ち株会社のティー・ワイ・オー(TYO)は2007年9月12日、「ウルトラマン」シリーズの制作でおなじみの円谷エンタープライズの第三者割当増資を引き受けることで同社を子会社化すると、発表した。あわせて、円谷エンタープライズの子会社・円谷プロダクションを孫会社化する。10月16日開催予定の円谷エンタープライズの臨時株主総会の承認を得て正式決定する。

「同族経営によるコスト意識の甘さ」

   TYOによると、同社が円谷エンタープライズの筆頭株主(80%)となり、円谷プロの円谷一夫会長兼社長が保有する株式の大半(22.5%)を円谷エンタープライズに譲渡することで、円谷エンタープライズの円谷プロ株の保有比率を45.5%から68.0%に引き上げる。これにより、TYOが円谷プロの株式の54.4%を間接保有。円谷グループの経営再建をめざす。

   知らない人がいないほどの人気キャラクター「ウルトラマン」がいながら、円谷プロはなぜ倒産寸前まで追い込まれたのか。

   TYOはその原因を「同族経営によるコストの意識甘さにある」と言い切った。ウルトラマン・シリーズは最近でも「ウルトラマンコスモス」「ウルトラマンティガ」などが人気を呼んだ。しかし、映画製作等の失敗、経営管理の弱体化によって追い詰められていた。

   TYOの子会社化によって、円谷エンタープライズの代表取締役である円谷一夫会長兼社長らは監査役も含め「総退陣」する。

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