着服しても、降格と減給6カ月という甘い処分
日光市では、市民に「初耳」となる着服事案が3日に発表され、額も高額だったことを重く見て、4日には市のHPで市民向けに「お詫び」の文章を掲載した。12日現在のHPには、9日付けの更新されたデータが載っている。4件すべての着服案件の金額や処分状況を報告し、市長名で謝罪している。「合併前の旧市町で起きた事件ではありますが(略)その責任を深く感じております」「本人または関係者によって全額返済されております」と説明している。刑事告発・告訴について、市民から意見が寄せられていることにも触れ「発覚した時点で、告訴すべき事件もあったものと感じております」「現在であれば、刑事責任を問うことも考えられますが、すべての事件について時効が成立しており(略)」と、もどかしさも表明している。
担当課によると、全職員に対しても4日と6日に公金の厳正管理や複数で扱うことなどを求める文書を相次いで出した。合併後の市の規定では、横領をした職員は「金額にかかわらず」懲戒免職することになっている。過去の着服4件のうち、2件は懲戒免職、あとは降格と減給6カ月だった。担当課は「現在なら降格で済ますなどはあり得ません」。しかし、懲戒免職の2人も刑事告発は受けていない。刑事告発については、規定に加えることを検討している。市民からの苦情電話は一括ではなく、各部署で受けるようにしており全体像はまとめていないが「告発見送りなどへ厳しい批判が寄せられました」。
社保庁と総務省によると、市区町村の再調査結果は9月21日をめどに取りまとめ公表する予定。3日発表の一次調査は、174の「無回答」自治体のほか、209件の「不明」と回答した自治体も含まれている。社保庁などは、「前回不明と回答したところを含め、全市区町村に再調査を要請している」と説明している。