2007年7月の参議院選挙で初当選した民主党の姫井由美子議員(48)が、週刊誌の不倫疑惑報道を「直接反論せず」の姿勢で、じわじわ「反撃」する動きを強めている。週刊誌のインタビューなどに応じ、記事のような不倫があったのかなかったのか、の「核心」についての明言は避けながら、「(私が)女性だからゆえの偏見」「(相手側が)調停を有利に運ぶため」とし、じわりと攻勢に出始めたようだ。
「姫は姫でもやんちゃな姫にございます」
姫井議員の「疑惑」や「心境」を報じる週刊誌各誌
姫井議員の「不倫」は、首都圏で07年8月30日に発売された週刊文春(9月6日号)が、交際相手だったとされる男性の実名暴露の形で報じた。同誌はさらに9月13日号で「無邪気な寝顔写真」として姫井議員の寝顔や男性との「ツーショット」写真を掲載した。
一方、姫井議員は9月2日、民主党からの出演自粛要請があったにもかかわらず、国会議員らが演じる演劇に出演した。舞台で出演者から「姫の虎退治で有名な」と、振られると姫井議員は「姫は姫でもやんちゃな姫にございます」「ここに来ることを禁じられていましたが、誰に何を恥じることもございません」と語る「余裕ぶり」を示した。後、9月6日には、民主党の小沢一郎代表と姫井議員が会い、小沢氏が「マスコミに出ないように」と忠告したことが報じられている。
姫井議員は週刊誌発売直前の8月29日、報道(予定の)内容について「あまりにもメチャクチャですからこれに関してはコメントしません」と否定コメントのような、ノーコメントのような発言をしている。一部スポーツ紙の報道では、姫井議員の事務所関係者が「(報道は)事実無根です」と8月末に答えたことが報じられている。しかし、姫井議員本人が完全否定する発言は9月10日現在明らかになっていない。
9月5日付のスポーツ報知は、4日夜の「独占直撃インタビュー」として姫井議員との一問一答を掲載した。記事によると、不倫の事実はあったのかという質問に対しては、「記事が真実かどうかは、プライバシーのことなので」として「ノーコメントにしています」と答えた。さらに訴訟を起こす考えはないと述べる姫井議員に記者が「無実を証明しにくいのでは」と問うと、名誉棄損で訴えれば「絶対いけます」と自信を示す一方で、「勝ったとしても、経過段階であることないことを言われるのが嫌ですね」とかわした。
「女性議員の不倫ということで、過剰に騒がれることに偏見を感じます」
また、AERA(9月17日号)でもインタビューに答えている。「気になったのは、スキャンダルの仕立て方です」「ただ女性議員の不倫ということで、過剰に騒がれることに偏見を感じます」と、「不倫」の有無は明らかにせず話している。「そんな偏見への対処法は、突っぱねることでも怒ることでもない。やんわり払いのけるしかないのです」と、一連の「反論せず作戦」の「狙い」も解説している。
インタビューする記者も、姫井議員について「満面の笑みをたたえ、きわどい質問は巧妙にかわす」と印象を書いている。説明しない理由は「政治と関係ない話をマスコミがいつまで取り上げるか見極めがつかなかったから」「反論すれば相手が逆上する可能性もあった」とした。
「不倫は事実ではないが、無視するのが得策」と割り切っているようにも、不倫の有無の論点をずらそうとしているようにも読める。
AERAのインタビューでは、「前向き」の姿勢をアピールしたかったようで、「お騒がせしてすみません。ご心配なく。私は落ち込んでいません。姫井は元気です」と、近く支持者へ文書で知らせる考えも示した。「私にとって、こんなスキャンダルは何ともないんです」。インタビュー終了後は、岡山出身の女性記者に対し「元気な女性を探しているの。(略)ぶれずに私についてきてくれたら、絶対に当選させてあげる」と「リクルート」をする一幕もあった。