トヨタ1,000万台宣言 それでも必死に社内引き締め

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いすゞと富士重工にも「以前より厳しめにものを言っている」

   米国市場は原油高などで市場が落ち込んでも、販売のマイナス幅は米国メーカーより小さいし、国内市場では軽を除くシェアが47%までに達し、独り勝ちの傾向は強まるばかり。無敵だからこそ、渡辺社長は「内なる敵」に目を向けざるを得ないのだろうか。渡辺社長は「トップランナーとしての使命として、モノづくりの質はもちろん、企業のマネジメントでもやはりおごりとか傲慢さというのは戒めていかなくてはいけない。特に部長層以上のところによく話をしている」と説明した。

   株式の一部を取得してトヨタグループの一員に加えたいすゞ富士重工に対しても、「最近のトヨタは、以前より厳しめにものを言っている」(関係者)という。渡辺社長は会見で、子会社の日野といすゞの経営統合の可能性について、「我々が乗り出しているということはないが、可能性という話で言うならゼロではない」などと、完全には否定しない。これもグループ企業を含めた「内部の地歩固め」発言の一つか。

   確かに、生産現場の熟練確保には限度があり、品質問題とも絡めて一度ミスが起これば「内側からの王国崩壊」にもつながりかねない。グループ企業との連携で、トヨタが主導権を握っていて不思議ではない。ただ、最近のトヨタは広報対応も含めて「そつはないが、面白みはまったくない」(業界担当記者)との声が聞かれる。巨大化するトヨタにはおごりの増大懸念以上に、引き締め発言で社員の意識が官僚化していく恐れにも、十分に心配していく必要があるのではないか。

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