モバイル検索日本での勝者 本当にヤフーとグーグルなのか

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参入する企業の狙いは検索連動型広告

   モバイル検索の世界ではどうか。まだまだ「戦い」は緒についたばかりだ。06年7月にauブランドのKDDIが「EZweb」のトップ画面にグーグル検索を導入した。ソフトバンクもNTTドコモも06年からモバイル検索の取り組みを本格化させた。ネットエイジアリサーチなどの共同調査によると、07年3月の時点で首位はヤフーだった。複数回答でヤフーは52.3%が「よく利用」していた。2位はグーグルで37%、3位i-modeで28%だった。4位はぐっと下がってケータイBIGLOBEの6.7%だ。以下数%台が並ぶ。

   調査結果は、「3強体制」にも見えるが、ネットエイジアリサーチの境野智樹・R&D室長は、まだパソコン検索のように固定的なものではなく「付け入る余地が大きい」と分析する。検索作業にはパソコンを主体に使い、携帯電話を補助的に使う人がまだ多く、パソコン検索「勝ち組」のヤフーとグーグルを「何となく」利用してしまう傾向が見られる。しかし、20代以下の若い世代には「ケータイオンリー派」がかなりの勢いで増えている。

   検索もケータイ主体で、純粋に「目的のものが検索結果として出てくるか」を選択基準にしている。ヤフーとグーグルの「神話」は通用せず、今後「使いやすさ」で評判を取る検索サイトが出てくれば、一気に人気を獲得する可能性があるとみている。ヤフーとグーグルの携帯検索の機能に、現在そこまでの優位性はない、という訳だ。

   技術的に市場に入りこむ余地があるとして、実際に参入する企業の狙いは何なのか。境野室長は「検索連動型広告。これでしょう」と指摘した。モバイル検索を使う人が入力するキーワードはせいぜい2つで、パソコン検索利用者より少ない。その少ないキーワードで、いかにケータイの小さな画面に「目的に合った検索結果、広告を載せるか」が勝負の分かれ目になる。その勝負次第で勝ち組と負け組はくっきり分かれそうだ。「しばらくは参入企業も増えるだろうが、いずれは生き残るサイトは絞り込まれる」

   エフルートの尾下順治取締役COOに「勝算」を取材した。尾下さんは、「パソコン検索の手法」の単純な延長では携帯利用者の期待に応えるのは「至難の業」と見ている。利用者が欲しい情報を表示する。それがなければ情報コンテンツを用意する、という仕掛けを進めているという。「ヤフー、グーグルに勝ちたい。もちろん本気です」。結局は勝たなければ生き残れない、という流れはパソコン検索の世界と同じようだ。

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