2人組ミュージシャン「Def Tech(デフテック)」が07年9月7日、自分たちのホームページ上で、解散することを「突然」発表した。2人は、インディーズデビューながら2005年のNHK紅白歌合戦に出演したことでも知られる。マスコミへの発表ではなく自身のサイトで解散を表明する手法は、今風のアピールなのか、それともささやかれていた「不仲説」が関係しているのか。
「音楽的な方向性の違いから」解散
「Def Tech」が解散を発表した公式HP
デフテックは、05年に初のアルバムを出した。ヨコハマタイヤのCMソング「My Way」が人気を博し、1年目にしてアルバムは150万枚を超える売れ行きを見せた。東京出身のMicroとハワイ出身のShenの男性2人組が、レゲエ音楽に日本とハワイの「味」を加えた「独自性」を見せていた。ところが2人そろっての活動は、06年夏のツアー終了をもって途絶えた。06年秋からは2人の「不仲説」が一部マスコミやネット上でささやかれていた。「どんどん仕事をしていくのか、それともマイペースに仕事を進めていくのか」という対立軸などが指摘されていた。
解散を伝えるHPが更新されたのは、7日未明の3時だ。HPを見たマスコミがネット上で午前中から解散を伝えると、HPは一時アクセスしづらい状態になった。
2人のHPは、まず連名で「活動再開を待ってくれていた皆さん、ごめんなさい」「音楽的な方向性の違いからDef Techを解散することにしました」「これからは、それぞれソロとして活動し、(略)」と報告している。続いて、2人が別々に思いをつづっている。Shenは、邦訳つきの英語で「私たちは絶えず変わりつづけ(略)新たなことに挑戦しつづけます。(略)」、Microは「僕らは自分達としっかり向き合い、今前を向いて、お互いの歩むべき『My Way』を進んでいくことを決意した」。
マスコミへのコメント送付や2人の記者会見も行わない
2人の解散は、事前のマスコミ発表はなく、HPで初めて公表された。こうした手法は、プロサッカー選手の中田英寿さんが06年夏、自身のブログで引退宣言したことで注目されたことを連想させる。06年には、プロ野球巨人の桑田真澄投手が退団をブログでいきなり発表した。芸能人が、交際スタートや破局、妊娠などを真っ先にブログやHPでファンに知らせる例は増えている。
HPによる解散発表にはどういう狙いがあったのだろうか。
所属事務所イルチルの担当者は「ファンに一番早く伝えたい」という「Def Tech」の2人の思いを尊重した結果だ、と説明する。マスコミへのコメント送付や2人の記者会見も行わない方針だ。「2人の本人たち『らしさ』を大事に考えると、自然にこういう形になった」。特に流行を追った訳でもマスコミを避けた訳でもない、という訳だ。2人とも所属事務所は変えず、ソロ活動をする。
J-CASTニュースが2人の「不仲説」についても質問すると、担当者は、HPで「音楽的な方向性の違い」を原因に挙げていることを指摘し、「それ以上でもそれ以下でもありません」とした。
7日15時ごろ、ブログ解析サイト「kizasi.jp」で「Def Tech」を検索すると、7日分だけで50件以上のブログがヒットした。趣旨としては、解散の予感がない訳ではなかったものの残念だ、しかしソロの2人を応援していきたい、といったものが多かった。