軽犯罪法や迷惑防止条例で高校生を処罰できる?
この点に関して、J-CASTニュースでは、神奈川県警に当ててみた。「高校生は罪に問えるのか」との質問に、広報県民課の報道係は、「現時点では、法令違反の部分は出ていません。事実関係を確認しようと、関係者に事情を聞いています。高校生を罪に問えないとは言えませんが、まだ分からない」とだけ話した。
専門家は、高校生の悪ふざけをどう見るのか。刑法に詳しい日大大学院法務研究科の板倉宏教授は、J-CASTニュースの取材に対し、次のように答えた。
「もし、高校生が拳銃型ライターを乗客に向け、『席を譲れ』などと命令調で言っていれば、脅迫罪か強要罪になります。乗客に向かって発砲する格好をしていただけなら、そうですね。公共の場所で多数の人に対して、著しく粗野で乱暴な行動で迷惑をかけたとすれば、軽犯罪法1条13項の違反となります。神奈川県の迷惑防止条例に引っかかるかもしれませんね。少年の問題行為なら、非行として補導の対象になります」
小磯巡査長の逮捕については、どうだろうか。これに対し、板倉教授は、「注意する人が少ない中で勇気ある行動だと思いますが、平手打ちするのはいけない。ですが、逮捕するまでのことかどうか。全治2週間までのけがなら、罰金ぐらいでしょう」と話した。
ただ、正義感に駆られてのこととはいえ、小磯巡査長は当時、酒に酔っており、少ないながらも厳しい意見がある。前出のヤフー意識調査の回答に、「理解できない」と答えた人や回答なしとした人の中には
「単にむかついて殴っただけかもしれないのに」「警官はなぜ車内で即座に注意しなかったのか」
といった疑問の声が出ている。
小磯巡査長自身は、調べに対し、「大変申し訳ないことをした」と話しているという。