フジテレビ系バラエティー番組「笑っていいとも」の2007年8月27日放送で、芸人の小島よしおさんと、お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」が「あの事件」以来初の競演になった。番組で小島さんと「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さんが一通りカラんだ後、上島さんはなぜか涙を浮かべたのだ。この涙の意味はなんだったのか。ネットで大騒ぎになっただけに、話題を呼んでいる。
「小島よしおが♪空気読まずに♪ダチョウを潰した~♪」
「ニコニコ動画」にも、問題の場面の動画が大量に掲載されている
「あの事件」とは、07年8月18日、19日に日本テレビが放送した「24時間テレビ」の「熱湯コマーシャル」コーナーでのこと。熱湯風呂に長く浸かった分だけCMをする機会が与えられる、という企画だが、これは「ダチョウ倶楽部」の十八番。上島さん達は見事なリアクション芸を見せる。次に熱湯風呂に入ったのが小島さん。「そんなの関係ねー!おっぱっぴー!!」とお馴染みのネタを熱湯風呂の中で披露したが、熱がる様子を全く見せなかった。
するとこのコーナーに出演していた芸人仲間から、
「おい小島!熱湯!それ熱湯だからっ」「よしお!熱湯!熱湯!」
という怒声が飛んだ。小島さんはあわてて風呂から上がり、熱そうにするのだが、会場にはシラケムードが漂った。司会の「爆笑問題」の太田光さんが、
「熱いという、前提が壊れちゃったよ」
と吐き出した。
この放送後、ネットには「小島がヘタこいて芸人生命オワタ」「放送事故発生」というカキコミが溢れ、「2ちゃんねる」では「祭り」が始まった。お湯が本当に熱湯だったかどうかはわからないが、「ダチョウ倶楽部」の芸にドロを塗ったことになる、ということだ。
「小島よしおが♪空気読まずに♪ダチョウを潰した~♪」
「ジモンがよしおをたらいで殴った後、たらいの放り方が完全に切れてて怖かった」
「ダチョウの芸を楽しむ場だと思う。 でも熱くないのをバラしたりするのは言語道断」
また、今後の小島さんについては、「東京スポーツ」が07年8月29日付の紙面で日テレ関係者のこんなコメントを掲載している。
「あれはヤバかった。出入り禁止とまでは言わないけれど、プロデューサーによっては彼を起用しない人も出てくるんじゃないかな」
この「事件」の後、初の競演になったのが07年8月27日放送の「笑っていいとも」の「ランキングバトル めさせ!ぴったり21」のコーナー。番組の出演者達は、小島さんと「ダチョウ倶楽部」に何が起きたのか知っていて、両者をカラマせた。小島さんはいつもの海水パンツ一丁の姿で登場し、リズム音をバックに、
「こうみえても 僕 熱さに強いんです でも、そんなの関係ねー!でも、そんなの関係ねー!」
と「ダチョウ倶楽部」に迫って行った。「ダチョウ倶楽部」は、
「関係あるよー!」
と返したが、決して険悪なムードではなく、小島さんは、
「もう仲良しです」
と話し、3人と握手までした。上島さんと小島さんがツーショットになったときには、上島さんは、
「俺たち、アドリブに弱いんだよな」
などと話した。そのとき「ダチョウ倶楽部」リーダーの肥後克広さんが突然、上島さんを指し、
「すみません、涙ぐんでるんですけど・・・」
「笑っていいとも」は、誤解を解くいい機会になった?
「ダチョウ倶楽部」の所属事務所、大田プロダクションの担当マネージャーはJ-CASTニュースの取材に応じ、あの「事件」の真相をこう話した。
「怒っているなんてとんでもない。実はネットで大騒ぎになっているのを知っていて、なんでこうなっているのかと。小島君が気の毒だ、と心配しているんです」
もともと小島さんと「ダチョウ倶楽部」は所属事務所が違うものの仲がよく、また、マネージャー同士も親しい関係なのだという。小島さんは勢いで行く芸風のため、今回の「事件」も生放送ならではのハプニングだと思っていて、「自分達の新人の頃」を思い出しているのだそうだ。こうした騒ぎの中、今回の「笑っていいとも」での競演は、誤解を解くいい機会になったと考えていて、
「これからも競演の機会があれば喜んでしますし、今後も(小島さんを)支援させてもらいたい、とも思っているようです」
というのだ。そういえば、「24時間テレビ」で小島さんと上島さんは2人で「はいっ!おっぱっぴー!」と踊っていた。「俺たち、アドリブに弱いんだよな」というセリフも同じだった。上島さんが「笑っていいとも」で涙ぐんだのも、そんな小島さんに対する思い、からなのかもしれない。