ドコモCM 好感度No.1 でも「独り負け」の皮肉

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auは「刺さる所に刺さればいい」という考え方

   ドコモのCMを巡っては、07年6月に毎日新聞が「若者受けする『新しさ』『カッコ良さ』を前面に押し出す戦略だが、携帯利用者からは『イメージ先行で分かりにくい』という声も漏れる」と批判した。また、評論家の大前研一さんは自身の5月18日付けのブログで「もし私がドコモの社長なら、今回の広告を作った人を解雇するでしょう」と激しく攻撃した。「そろそろ反撃してもいいですか?」というドコモのキャッチコピーが、挑戦的なコピーのために消費者に値下げの可能性を想起させ、買い控えを引き起こすというのが論拠だ。ブログ上でも「金かけりゃいいって感じで印象が悪い」「CMという作品の向こうに全然顧客を見てないぞ」などと批判的な内容が並んでいた。

   NTTドコモ広報部は、当初に批判があったことを認め、そのうえで、ストーリー仕立てで話を展開しながらサービスを一つひとつ説明することで「楽しみながらサービス内容を少しずつ知って頂けた」としている。これで、当初のCMへの「分かりづらい」という批判がやわらぐ結果にもなった、というわけだ。また、批判もあったが認知度も当初から高かった点は間違いない。雑誌などのアンケートで「好きな芸能人」と「嫌いな芸能人」の両方の上位に登場する人も少なくないが、注目を集めれば、賛否ともに多くの意見が寄せられる側面もある。

   ソフトバンクは、コミカルさを出す「家族」のCMと、カッコ良さを強調するキャメロン・ディアスさんのCMが2本柱で人気を支えた。広報担当者は、CM好感度2位という現状について「評価を頂いている」と喜んでいる。一方、1位のドコモに負けている点については「淡々と受け止めています」。CMの「家族たち」の今後については、どういう展開か決まっていないが、好評なので当面は続きそうだ。

   一方、「CMの女王」の女優仲間由紀恵さんがCMに登場するauは、ドコモとソフトバンクの間に埋没した格好だ。しかし、KDDI広報担当者は、全世代から万遍ない支持を求めるようなことはせず、対象世代を絞ったCMを、対象世代が見ているような絞った時間帯に放送するようにしている戦略の結果だ、と説明した。刺さる所に刺さればいい、という考え方だ。

   電気通信事業者協会がまとめた07年7月の携帯電話・PHSの契約の純増数は、ソフトバンクが22万4,800件で3カ月連続の首位だった。2位はKDDIで19万1,200件、ドコモは8万1,400件に止まった。

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