「見る時間減った」が4割 テレビがネットにやられる

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8割以上が「テレビはネットで検索して見たい」

   テレビ局は、このようなネットユーザーの動向に、どのくらい危機意識があるのだろうか。NHKの広報担当者は、J-CASTニュースの取材に対し、「う~ん、危機感ですか。様々な形でメディアが増えてくれば、様々な楽しみ方に分かれてくるのは時代の流れ。今申し上げられるのは、災害報道とかやらなければならないものをしっかりやり、その上で、視聴者の皆様に見てもらえるような番組作りに励みたいということです」。

   一方、民放のフジテレビ広報部の担当者は、「総世帯視聴率が下がっているので、危惧しています。ユーチューブに載っている番組は、全部違法。要請して削除してもらっていますが、それでも投稿する人はいる」と話す。

   ネット動画利用者が増えた背景には、動画が見やすい光、ADSLなどのブロードバンドが大幅に普及したことがある。ネット白書によると、日本の全世帯のうちの普及率は、50.9%に達した。ブロードバンド普及の当初は、電話、FAXの利用が減ったが、次第にマスメディアの利用を減らす人が増えてきたという。

   ネット白書編集長の錦戸さんは、「利用目的別の調査では、ニュースとエンターテインメントの分野は、テレビの利用率が高い。ところが、ネットは、商品購入、生活情報を含め、全般的にどれも利用率が高いんです。新聞、雑誌は、どの分野も評価が低いですね」。

   ところで、ネット白書が2006年、放送・通信の意識調査を行ったときの結果は、テレビ関係者には衝撃的だっただろう。テレビへの満足度は5割に過ぎず、ネットと融合してほしいとした7割近くのうち、「テレビの映像コンテンツをネットで検索できるようになってほしい」とする人が8割以上も占めたからだ。

   もっとも、ネット動画では、画質の低さなどがまだ普及のネックとなっている。錦戸さんは、「放送をブロードバンドで視聴するIPTVサービスの利用者は、まだ2%程度。今は、ユーチューブやギャオのような動画メディアが主流になっています。テレビがネットに飲み込まれるかどうかを言うのは、まだ難しい状況ですね」と話している。

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