福岡ではパソコン量販店が出版社を支援
福岡都市圏では老舗のタウン誌「シティ情報ふくおか」も、角川書店の「九州ウォーカー」や無料誌に押されて部数が低迷、05年6月に休刊した。同年11月に「シティ情報Fukuoka CLASS」として復刊するも、ウェブなどを通じた情報発信力強化が課題となっていた。そんな中、07年4月には、パソコン量販店「アプライド」が、同誌を出版する会社に76%出資し、傘下に収めたのだ。アプライドは技術面などでウェブサイト強化を支援し、ネット通販とも結びつけたビジネス展開を行いたい考え。
買収時のリリースでは同誌のことを
「タウン誌として全国でも草分け的存在であり、幅広い読者層とブランド力を持っております。現在は、20代後半から30代をメインターゲットとしておりますが、40歳を超えた方々にも根強いファンを持つ情報誌です」
と評しており、ブランド力が高く評価されたことがうかがえる。
単なる買収劇にとどまらず、異業種間のシナジー効果を生かした生き残り策、とも言えそうだ。
なお、今回休刊が決まった「TJ-GIFU」は、岐阜新聞に対して「発行しながら考えるという選択もあるが、やはり一度歩みを止めて、時代にフィットした新しい情報サービスのスタイルを模索したい」とコメント。復刊の見通しは不明だ。