地元に密着する「タウン誌」の休刊が相次いでいる。中には無料化・リニューアルという形で復刊を果たす例もあるが、その経緯は一様ではない。各誌、どうやって生き残ろうとしているのか。
岐阜のタウン誌、9月号を最後に休刊
「TJ-GIFU」のサイトには、特に休刊のお知らせは出ていない
1975年に創刊され、岐阜県内でおよそ8万部が発行されているタウン誌「月間タウン情報ぎふ(通称TJ-GIFU)」が、07年7月25日発売の9月号を最後に休刊する。同誌を発行する「サンメッセ」は、夏休み期間中ということで電話が繋がらず、直接の確認が取れない状態だが、このニュースを報じた岐阜新聞によると、ウェブによる情報サービスの充実やフリーペーパーなどとの競合が休刊の原因だという。
同誌も加入しているタウン誌のネットワーク組織「タウン情報 全国ネットワーク」(TJN)でも、J-CASTニュースの取材に対して休刊の事実を認めている。ただ同社では、
「タウン誌は『お金を出して買う雑誌』ということで、すでにフリーペーパーやウェブとは棲み分けができているという認識です」
と話しており、現状でタウン誌は独自のコンテンツを提供できており、岐阜新聞の指摘は当たっていない、との見方だ。
そうはいっても、ここ数年、タウン誌の休刊・リニューアルという流れが相次いでいる。ここ数年の動きを追った。
「無料化」へのくら替えで生き残りを図っているのが、1973年創刊の長野市のタウン誌「ながの情報」だ。広告収入や販売部数の低迷で有料版を04年11月に休刊、翌05年11月には無料月刊誌としてリニューアル、ウェブ版の展開も始めた。
有料のままリニューアルしたのは、全国のタウン誌の先駆けとして知られる「月刊神戸っ子」。バブル崩壊や阪神大震災の影響で広告収入が減少していた上に無料配布のタウン誌に押されて、05年1月には経営破たんに追い込まれた。だが、後に商標を別会社が買い取り、05年4月には全ページをカラー化して復刊。現在でも「KOBECCO」という名前で発行を続けている。