松下とシャープ、サムソンと組むソニーが三つ巴
東京都内の大型量販店の担当者も「06年夏の商戦では32型が売れ筋だったが、07年の春以降は40型前後がよく売れる」と話す。液晶テレビの大画面化で競争激化し、薄型テレビの価格はこの1年間で10万円近く下落、市場の主戦場はより大きなサイズに移っている。
販売価格下落の傾向は今後も続く見通しで、各社ともコストと販売の競争は避けられない状況だ。関係者は「国内勢では、プラズマをけん引してきた松下と液晶のシャープ、韓国のサムスンと組むソニーが三つ巴の戦い。この構図は今後も続くが、気の抜けない体力勝負の度合いが強まっていくのではないか」と予測する。
松下は今回発表の新商品で、フルHD規格の構成比をさらに高め、42型以上の高級機種へのシフトを促す。また、テレビとデジタル家電をつなぐ「ビエラにリンク」機能を強化し、テレビ向け映像配信「アクトビラ・ビデオ」でビデオ・オン・デマンドを楽しめたり、リビングの外ではテレビカメラ付きのドアフォンとテレビ画面を連動させたりと、付加価値の高さや豊富な品揃えをPR。プラズマテレビでは日立製作所やパイオニアを抑えて「独り勝ちの」の状況を作った松下も、商品の多様性で勝る「液晶優位」に傾きかねない市場に警戒感をにじませ、迫る決戦に向けてプラズマの存在感アップに懸命だ。