家族向けだったはずの人気マンガ「クレヨンしんちゃん」が、「鬱な展開」になっているとネットで大騒ぎだ。しんちゃんの先生「まつざか梅」の恋人がテロに巻き込まれ死亡。「梅」はウィスキーをラッパ飲みし、涙を流しながら、後を追おうとしている。単行本の最新巻には、死んだネコの上をハエが飛び回る絵、といった具合だ。ネットでは「これテレビでできねえよ」、原作者の臼井儀人さんに対して「残酷だな」などのカキコミも出ている。
「月刊まんがタウン」での「鬱な展開」が波紋を呼んでいる
ネットで騒ぎになったきっかけは「月刊まんがタウン」の2007年9月号。しんちゃんの幼稚園の先生の恋人で接骨医の「行田徳郎」がアフリカで死亡、その死因がホテルで起こったテロ、という物騒なストーリー。「負け犬」キャラだった「梅」に恋人ができたことは読者から歓迎され、マンガも「梅」と「徳郎」の恋愛ストーリーを数多く描いていた。この号では「梅」はひとけの無い林に一人で入り、ウイスキーをラッパ飲みし、
「徳郎さん・・・もうすぐあなたの所へ行くからね」
と涙を流すシーンで終わっている。
ファミリー向けギャグマンガのはずが
「クレヨンしんちゃん」といえば、92年にテレビ朝日系でアニメ化され、ファミリー向けのギャグマンガという印象が強い。それだけに今回のマンガには驚いたファンが多いようで、掲示板やブログを見ると「ショックだ」という感想が相当数ある。「2ちゃんねる」では、「クレヨンしんちゃん(漫画)が鬱展開な件について」などのスレッドが立ち、「祭り」が始まっている。
「ファミリー漫画でこんなんを・・・」
「しかも事故とかじゃなくてテロで死んだのかよ」
「あのお気楽振りは一体どこに言ったんだ」
また、この「鬱な展開」という話題が、07年8月13日発行の単行本「クレヨンしんちゃん」46巻にも飛び火。この巻には、しんちゃん一家が飼っている犬の「シロ」の母犬が、保健所の車で運ばれるシーンが描かれていたり、また、「シロ」が面倒を見ていたネコが死んで、ハエがたかっているシーンも出ていて、「残酷で子供に見せられない」「クレヨンしんちゃんは、どうなっちゃたの?」といった感想が出ている。
J-CASTニュースは「まんがタウン」編集部に取材を申し込んだが、
「今回の件につきましてはコメントは差し控えさせてもらいます」
と答えた。