団塊世代を中心とした日本人の「シニア人材」が中国から「熱い」視線を浴びている。中国の高度経済成長による人材不足と、団塊の世代を中心とした中高年世代の大量退職が合致し、中国企業が品質管理の指導者などとして雇い入れるケースが増えてきているようなのだ。
大連市は「シニア人材」の就職説明会を開催
大連市では積極的に日本の「シニア人材」を斡旋している
中国では、日本の「シニア人材」の確保に乗り出す自治体も登場している。遼寧省の大連市は07年5月に日本の「シニア人材」を対象にした就職説明会を開催した。参加したのは地元企業160社ほど。同市は06年にも東京で人材募集のイベントを開いたり、同市内で「日本週」と名づけた就職イベントを行うなど、日本人人材の獲得には熱心だ。日本人を受け入れる専門窓口も設けられた。
大連市人事局はJ-CASTニュースの取材に対し、同市が日本の「シニア人材」受け入れに熱心な理由を「年をとっても、退職しても、人材としての価値がある」と語る。同局によれば、以前から日本人を受け入れたいという企業の要望があったが、最近になって日系企業が増えたことや、地理的に近いということも手伝って、日本人人材の需要が高まっているのだという。大連市の人口は500万人ほどだが、現在、同市では約1万人の日本人が働いている。
こうした中国からの需要が、日本の団塊世代の大量退職と重なり、日本の人材会社も続々とこの世代の「中国への転職」事業に乗り出してきている。インターネットッ上の転職・就職サイトでは、中国向けの転職・就職を扱うサイトも多くなり、団塊世代に中国への「転職」を紹介する企業も増えてきた。