PK外した羽生選手が謝罪 「蹴りたくなかった」発言に波紋

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   因縁のアジアカップ対韓国戦でペナルティーキック(PK)を外したサッカー日本代表の羽生直剛選手(27)(ジェフ市原)は、試合後、「正直、けりたくなかった」と記者インタビューに答えたと報じられた。その羽生選手が2007年8月4日、公式ウェブサイトで異例の謝罪をしていたことが、2ちゃんねるなどで話題になっている。羽生選手本人は、やや違う言い方でインタビュー内容を再現したうえで、「あの場には責任感を持って立ったことは信じてもらいたい」とサイトで強調している。

「挽回しようという気持ち」もあった

羽生直剛オフィシャルウェブサイト
羽生直剛オフィシャルウェブサイト

   インドネシアで07年7月28日に開かれたアジアカップ日韓戦は、0対0の均衡のまま、延長戦に突入。そこでも両者譲らず、勝敗は、運も左右するとされるPK戦にまでもつれ込んだ。

   両チーム合わせて11人目までのキックがすべて決まった後、韓国のゴールキーパーが羽生選手の蹴ったボールを右手一本でセーブ。羽生は頭を抱え、その場に倒れ込んでしばらく動けなかった。結局、日本はPK戦で、5-6のスコアで負けた。

   羽生選手は、試合後、記者のインタビューに応じた。そして、報じられた発言はこうだ。

「(PKの失敗について)僕のミスです。正直、けりたくなかったが、名前を挙げてくれたのでけることにした。集中して強い気持ちで臨もうと思ったが…」(共同通信)

   ゴールへのキックに対して明らかにネガティブに取れる言葉だけに、報道後、ネットで批判的なコメントが相次いだ。羽生選手はしばらく沈黙を守っていたが、8月4日、公式サイトの「talk」欄でこんなコメントを出した。

「PKの件で1つ、この場を借りて誤解を解きたいと思っています。
僕が帰国する前から世間では僕がネガティブなコメントをしたとこで大変ご迷惑、不愉快な気持ちにさせてしまって大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。すみませんでした」

とまずは謝罪。ところが、「正直、けりたくなかった」と話したことかどうかについては、報道とはやや違う表現で返答を再現した。

「試合後、記者には『試合中のチャンスをものに出来なかったし蹴りたくない気持ちと挽回しようという気持ちがあった。ただ、キッカーに選ばれたことには意味があると思って蹴る時は強い気持ちでのぞみました。』とコメントを残しました」

   つまり、「挽回しようという気持ちがあった」とも話したというのだ。そのうえで、羽生選手は、この件について

「言い訳っぽく聞こえてしまいますし、もちろん、僕のコメントにネガティブな部分が入ってしまって、メディアはそこを間違いなく突いてくるのですが…コメントは僕のミスです。すみませんでした。でも、外しちゃうかもと思ってあの場に立ったら一緒に戦ってる人に失礼ですし、怒られます。僕は、メディアになんと言われても良いやとは思っておりますが、それが例えば他の代表の選手に伝わればやっぱりその人に対して大変失礼な事だと思うのです。だから、あの場には責任感を持って立ったことは信じてもらいたいですし、応援して下さっている皆様にもこの件はご理解の程宜しくお願い致します」

「でも蹴りたくなかったんだろ?」という反応も

   この異例のお詫びについて、2ちゃんねるでは、一つのスレッドにコメントが1000を超える祭り状態となり、「でも蹴りたくなかったんだろ?」「割りと好感が持てる」と賛否両論が渦巻いている。

   羽生選手にとって、日本代表としてアジアカップが初の国際大会出場。交代選手として、計5試合に出場した。公式サイトによると、「初戦でビッグチャンスを外し、それ以後、借りを返したい」と思っていたという。しかし、こうも打ち明ける。

「でもそこで僕に必要だったのは、『もう終わったことだから』と切り捨てる事だったのかもしれません」

   羽生選手は、趣味が温泉、読書、好きなのが、人気ポップデュオの「ゆず」。闘争心むき出しで戦わなければならないサッカー選手としては、おとなしい趣味ではある。羽生選手のファンサイトによると、アジアカップから帰国後は、その疲労をチームから考慮されて8月4日まで4日程度のオフを取っていたという。その間、温泉に行って気分転換していたそうだ。ジェフの練習に再び加わってからは、「PKの事も楽山(チームメイト)をはじめみんなネタにする感じでほど良い絡みでした」(公式サイト)と、明るく振舞っている。

   とはいえ、「蹴りたくない気持ち」もあったわけだから、今後ワールドカップに向けてどのように戦うのか。あるブログでは、試合後のインタビュー記事を読んだ感想として、「嫌いな選手ではないが、こういう甘ちゃんでは世界では戦えないな。レベルが低い」と漏らしていた。羽生選手は、「初めて国際大会に出場させてもらって、技術、戦術、体力はもちろん大切ですが、精神力というものがもしかしたらそれ以上に大切なものなのかも知れないと今は思っています」(公式サイト)と試合後に振り返っている。

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