「取り違えていた」というのは信じがたい
しかし、不二家の「信頼回復会議」の議長を務めた郷原信郎教授はこれらの判断を猛批判している。
郷原教授はBPOの審理を受け記者会見し、「まったく評価できない」「十分な調査をして適切な結論を出したといいがたい」とし、BPOを「身内の傷を舐めあう機関」であるとした。
同教授は、TBSが放送前に不二家広報に、「カントリーマアム」について、「賞味期限が切れていたので捨てようとしたら上司に怒られ、それを再度新しいパッケージに入れて製品としていた」という証言の事実確認を行っていたことを挙げ、
「平塚工場でカントリーマアムを作ってない時点で、証言が無価値で信用性が失われることは明らかで、それを『(チョコとカントリーマアムを)取り違えていた』『判断の誤り』と(BPOが)扱うのは信じがたい。むしろ、我々が『捏造』と指摘していた事実があったということだ」
と指摘した。同教授によれば、不二家広報に取材した時点で「カントリーマアム」と「チョコレート」の違いは明らかになったはずで、さらに別の証言者について「メモがない」「1回しか連絡が取れなかった」点については、「(裏づけというよりは)むしろ、疑わしい」もので、「信用性がないのに事実として紹介した『捏造』」としている。
郷原教授はこれに加えて、
「この判断をもとにTBSに対し訴訟を提起すれば、民事上の損害賠償の立証ができる。訴訟をすることでしか不二家の信頼回復はありえない」
として、不二家がTBSを提訴するように促すとしている。
一方のTBSは、「BPOの見解を真摯に受け止め、今後の番組作りに活かして行きたい」とコメントしている。