社員旅行いきたい人急増! 景気回復で「社員団結」の兆し?

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   社員旅行といえば、つい最近まで「企業家族主義のカビ臭い匂いがする」「職場以上に気を使う」「宴会でセクハラ」などと毛嫌いされた存在だったはず。それが、このところ風向きが変わってきた。「社員旅行に行きたい」。そんな会社員が増えているそうだ。「社員同士で会話がしたい」「共通の思い出を作りたい」のだという。

コミュニケーションが少ない人と会話ができてよかった

近畿日本ツーリストでも、社員旅行におすすめのツアーを紹介している
近畿日本ツーリストでも、社員旅行におすすめのツアーを紹介している

   「gooリサーチ」が2007年7月30日に発表した「社員旅行に関するアンケート」によると、社員旅行をどう思うかと尋ねたところ、「あったほうが良いし参加したい」が34.2%、「無くなっても良いが参加したい」が16.6%だった。このほか「あっても良いが参加したくない」という微妙な答えが31.3%。全体にかつてのような社員旅行アレルギーは消えつつある。

   また、社員旅行に行って良かった点は、「コミュニケーションが少ない人と会話ができた」が25.5%とトップ。「共通の話題、思い出になった」18.1%、「仕事だけでは見えない面に気付いた」が15.9%と続く。この結果を見る限り、旅行に行って、触れ合いを求めたがっているようなのだ。

   J-CASTニュースJTBに取材すると、バブル崩壊以降社員旅行は減り続け、3~4年前が底だった。この後、徐々に増えてきているのだという。それを裏付けるように、税務研究会発行の月刊誌「スタッフアドバイザー」02年12月号の「ホントはやめたい? 社員旅行に行きたいですか」という特集では、「社員旅行はもう不要」が72%。「必要」が28%。

   この理由を同編集部では、「相手を知らない、知ろうともしないことが原因。余裕があった時代には上司と部下、あるいは同じ職場内に仲間意識があった。社員旅行はそんな時代の象徴かもしれない」 と分析している。

   その後、2005年に毎日コミュニケーションズの「エスカーラカフェ」が、300人の女性会員にアンケートしたところ、「社員旅行は楽しかったですか」について、「はい」が34%。「いいえ」が10.3%。「どちらでもない」が55.7%。「社員旅行は必要か」で、「必要」が18.7%。「必要でない」が33.7%、「どちらでもない」が47.7%と、社員旅行に対する評価が多少回復していて、「社員旅行や社内飲み会は、その人の背景を知るいい機会だ」などという専門家の意見が掲載されている。

かつての温泉・お座敷イメージは消える

   今回のアンケートについて、「2ちゃんねる」でもスレッドが立っている。

「上司にお酌しにいって、ちっとも興味ない話ばかり聞かされて、楽しむどころじゃねーし」
「セクハラ寸前の下ネタを披露することを強要されるので社員旅行はなくなって欲しいです」

などという否定的意見のほかに「賛成」も少なくないのだ。

「正直言って、お客との懇談会をやるくらいなら、社員旅行の方がまだましです」
「昔じゃあるまいし、ストレスたまるような社員旅行なんて今はねーよ」
「30代で家庭もちになると友達とは休みが合わず会って飲むのも年に1,2回だけ。家でも居場所がないし、落ち着かない。で、社員旅行が心の底から楽しみになってくる時が必ず来てしまうものだ」

   社員旅行に対する反発が減り、注目されるようになってきた理由について、JTB広報は、景気が回復して、明るさや自信を取り戻した企業が増え、何に対しても「前向き」になっているからと見る。それが「社員団結」につながり、社員旅行にも目が向き始めたのかもしれないというのだ。また、社員旅行もかつての温泉・お座敷イメージから変化していて、宴会もホテルのバンケットルームスタイルにしたり、参加型のアトラクショが用意されることもある。また、単なる物見遊山ではなく、トレーディングゲームや研修形式なども増えている。

   近畿日本ツーリストも、同じような見方だ。

「上司や仲間とコミュニケーションを取るのを快く思っていない人はいましたが、近年は吹っ切れた感じで『一丸になって行こう』という感じになりました。だからひところのように社員旅行も苦にならない。若手社員の違和感も少なくなり、参加したいと思うようになってきたのでしょう」
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