超人手不足なのに、なんでアルバイト時給は頭打ち?

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   「いざなぎ景気超え」が確実視される好景気が続く中、人手不足が深刻になっている。失業率や有効求人倍率も雇用情勢の改善を示している。にもかかわらず、関東圏などでは、アルバイト料上昇の伸びが鈍化、頭打ち傾向が目立つ。なぜだろう。

平均時給1,044円と全国最高の関東エリアの伸びが悪化

全国のアルバイト平均賃金調査を伝えるインテリジェンスのHP
全国のアルバイト平均賃金調査を伝えるインテリジェンスのHP

   2007年7月31日、総務省は2007年6月の完全失業率を、厚生労働省は同6月の有効求人倍率(いずれも季節調整値)をそれぞれ発表した。完全失業率は3.7%で07年5月より0.1ポイント下がり改善した。4月に3%台に下がり、5月は横ばいで、これで3カ月連続して3%台を保った形だ。また、有効求人倍率は1.07倍で5月を0.01ポイント上回り、これも人手不足による雇用改善を示している。

   アルバイト料はこの2、3年上昇を続けてきた。アルバイト情報「an」ブランドや転職情報サイト「DODA(デューダ)」などで知られる総合人材サービス「インテリジェンス」(東京)が2007年7月27日に発表した全国アルバイト(98種)の平均時給は、987円で過去最高額を記録した。04年の平均より71円上がっている。しかし、前年同月比でみると、3.19%増で、06年6月時の対前年同月比3.64%増より、0.45ポイント悪化、頭打ち傾向が出てきた。06年7月に対前年同月比4.63%増を記録して以降、4.63%を上回る数値は1年間出ていない。

   特に関東エリアの伸びが悪化している。平均時給は1,044円で全国のエリアの中で額は最も高い(最も低いのは、北海道805円)が、前年同月比でみるとわずか0.24%増だ。06年6月時は3.82%増だったので、3.58ポイントも悪化したことになる。05年平均も対前年比2.07%増だった。

主婦や高齢者に間口を広げた採用が原因?

   インテリジェンスの担当者によると、関東圏の高校生や大学生は「引く手あまた」の状況で「時給1,200円以下のバイトはやりません」という条件を最初からつけてくる大学生は珍しくないそうだ。

   それでも「バイト料が今後、大幅に上がることはない」と見ている。全国の対前年増加率で見ると、07年6月は、営業系が3.3%増なのに対し、サービス系は0.0%と横ばいだった。関東エリアでみると、サービス系はマイナス3.2%だった。「人手不足のサービス・フード系などは、時給を上げたいが競争が激しくて上げる余力がないという所が少なくない」と分析する。

   加えて、採用側が若い世代にこだわらず、主婦層や高齢者層に間口を広げ積極採用している例が目につき始めたのも響いている。高齢者なら若い世代より安い時給で納得してくれるのでは、という思惑があると見られる。

   インテリジェンスが07年7月4日に発表した時給希望額の調査(約6,900人対象)によると、首都圏1,146円(7月31日発表の実態調査、関東1,044円)、東海1,072円(同中部1,018円)、関西1,059円(同1,018円)、九州961円(同855円)、北海道944円(同805円)だった。頭打ち傾向が見えてきたとはいえ、どのエリアの人も「もう一声」は欲しいようだ。

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