「安心なサイト」のはずだった「mixi(ミクシィ)」で、またとんでもない事件が起きた。掲示板で売春婦を募集、8人の女性が応じて売春を繰り返していた。その元締めはもともと売春のプロで、斡旋が「仕事」だった。ミクシィ内にはこうした「業者」が頻繁に出入りしているという情報もあり、「今はアブナイみたいですね」といったカキコミがネットで増えている。
「マイミク」感覚で気軽に売春
今度はミクシィで売春「募集広告」
大阪府警八尾警察署によると、ミクシィの掲示板で「高給アルバイト。出張で1万円」と募集した。これに応じたのが8人の女性で、07年2月から07年5月までに延べ960人の客を取った。たが、17歳の女子高生が含まれていたため、元締めをしていた中西泰介容疑者(30)ら2人が2007年7月25日までに逮捕された。
売春の手口は、女性をテレクラに登録し、乗用車に乗せて移動。電話で指示された場所に女性を運ぶ、というもの。客から1万5,000円を受け取り、うち1万円が女性の取り分になっていた。
八尾署はJ-CASTニュースの取材に、
「知り合ったのがミクシィということで、容疑者の誘いに、女性たちは簡単に応じていたようだ」
と話した。いわゆるミクシィ上の友人「マイミク」感覚で気軽に応じたようなのだが、容疑者たちは売春関係の「プロ」。ミクシィに「募集広告」を出す以前から女性を紹介する仕事をしていた。ミクシィに「募集広告」を出したのは、紹介業務では収入が少ないために、自分たちで運営して儲けよう、という狙い。当然、両者の感覚はズレていて、8人のうちの3人が八尾署に駆け込むことになる。
「男たちの縛りがきつい。離れたいけど、離してくれないから、どうにかならないか」
07年5月20日過ぎ、八尾署にそんな訴えをした。彼女たちは売春をした理由を「留学したかった」「借金があった」などと語ったそうだ。八尾署が捜査すると、8人の女性の中に17歳の女子高生が含まれていた。八尾署は児童福祉法違反などの疑いで容疑者を逮捕した。
今回の売春事件でブログを検索してみると、「この事件は氷山の一角です。mixiをヲチしている人ならこのような出来事が日常茶飯事で起きていることはみんな知っています」などといったミクシィ批判が多く見つかる。
「対応等についてお話しすることはできません」
ミクシィはこのところ、トラブルが絶えない。07年6月28日には、ミクシィに不正アクセスし、向精神薬「リタリン」を違法に販売したとして、不正アクセス禁止法違反、電磁的記録不正作出・供用罪、薬事法違反、麻薬取締法違反の容疑で逮捕者が出た。また、「ミクシィで儲ける」などといったノウハウ本もアングラで多数出ていて、一儲けしようという会員が闊歩している。
ミクシィ内のカキコミにも、「宣伝目的のアクセスが非常に多い。知り合い以外の足跡は半分以上は『在宅ワーク』紹介のもの」「記載されているURLをクリックすると出会い系サイトに誘導される事がある」だから、「会員の審査を厳しくして再構築する時期」という声が出ている。
今回の17歳の女子高生、ミクシィ入会は18歳以上なので、ミクシィでも「違反」だ。
ミクシィは今回の売春事件をどう考えているのだろうか。J-CASTニュースが取材すると、同社広報は、17歳という規約違反の会員がいたことに対しては、
「(女子高生が)会員になろうとプロフィールを入力した際、(ミクシィ側が)把握できかねたかと思います」
と答えたが、今後、売春事件などが起きないようにするための対策やなどについては、
「個別な案件のため、対応等についてお話しすることはできません」
と繰り返すだけだった。