「日本人は大変な仕事しない」 吉祥寺メンチカツ社長の言い分

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   吉祥寺を訪れたほとんどの人が目にしたことがあるはずのメンチカツ店。毎日行列ができる、この会社の社長が、不法滞在の中国人を働かせたとして逮捕された。一日3,000個以上という大量の販売。社長は「日本人の子は大変な仕事はしない。募集して来るのは中国人だけ」などと語っていた。

常に店頭にはアルバイト募集の張り紙

吉祥寺の「サトウ」は観光情報サイトでも紹介される超有名店
吉祥寺の「サトウ」は観光情報サイトでも紹介される超有名店

   警視庁組織犯罪対策1課と武蔵野署は2007年7月25日までに、入管難民法(不法就労助長)違反などの疑いでサトウ食品社長佐藤健一容疑者(57)と息子で同社役員伸一容疑者(32)を逮捕した。調べによると、2人は共謀して05年11月頃から07年6月23日頃にかけて、不法滞在していた中国人4人を従業員として雇い入れ、東京・吉祥寺の「松坂牛専門店サトウ」や東京・赤羽の精肉工場で販売や精肉加工の業務に従事させていた疑い。

   吉祥寺にある「松坂牛専門店サトウ」は、松坂牛100%にこだわった有名肉店。1個160円のメンチカツ(5個以上で120円)が大人気で、メンチカツ目当てに休日のみならず平日も行列ができることで知られていた。メンチカツは1日3,000個あまりが売られ、相当な忙しさもあってか、常に店頭にアルバイト募集の張り紙がされていた。時給は1,000円とされていた。しかし、不法滞在をしている中国人がなぜ働くようになってしまったのか?

   佐藤健一容疑者は逮捕前、JNNニュースのインタビュー取材に対して、

「(不法就労ということは)我々はわからなかった。捕まった人がオーバーステイだった」
「募集出したら、今日本人の子なんかで大変なこういう仕事は(しない)。電話かかってくるのはみんな、募集で来るのは中国の人なんですよ」
「彼ら(中国人)は働いているときは真面目なんですよ。日本人より何倍も真面目」

などと語っていた。弁解とも受け取れるが、一面この問題の本質ものぞかせている。

重労働で「時給1,000円」では日本人はこない

   東京でのアルバイトは時給1,000円以上のものが相当数ある。しかも、超人気メンチカツ屋での重労働となれば、「時給1,000円」で日本人がたくさん応募してくるとは考えにくい。しかも、「日本人より何倍も真面目」となれば、中国人を雇い入れるのは経済合理性にかなっているというものだ。それで、安くてうまいメンチができるという皮肉な結果となる。

   中国人らが、「(佐藤健一容疑者が)不法滞在であることを知りながら採用した。捕まったら、店で働いていることを明かすなと言われた」と供述した、との報道もあり、人気店の社長が「不法滞在中国人」を意図的に雇用していた可能性もないとは言えない。J-CASTニュースは、吉祥寺の店舗や赤羽の事務所に問い合わせたが「取材には応じない」とのことだった。

   外国人の不法就労などに詳しい古川健三弁護士は、「一般論」として、最近の外国人の労働について取締りが「厳しくなっている」と語る。

「外国人の労働を受け入れたいという要請がある割には、それに日本の法制度が対応していない部分がある。外国人の管理制度そのものが、日本にいる外国人が少なければいいというもので『すぐに帰ってください』という傾向が強くなっている。締め付けばかりが『管理』ではないのだが・・・」
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