韓国中心に外国人客も増えたのも大きく貢献
さらに、これに加えてマーケティング戦略を抜本的に改革。05年8月に就任した丸山康幸社長は「プライド・オブ・シーガイア(シーガイアの誇り)」を掲げて、「ブランドの確立」「セールスマーケティング強化」「適切な人員派遣」など徹底したコスト削減と顧客満足度の分析と向上を図った。さらに、この「プライド・オブ・シーガイア」の一環として、「5S」運動(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を導入。社員の意識の向上も図った。
これに加えて、韓国を中心とした外国からの客も増えたことも「黒字転換」に大きく貢献した。同社は、宮崎空港わずか20分という好立地を活かして、アシアナ航空と連携して韓国の顧客を誘致。さらに、02年には「シーガイア」で開催されたゴルフ「ダンロップトーナメント」が韓国でも中継されたこともあり、韓国からのゴルフ客が急増したという。
「シーガイア」の黒字転換の報道のなかには、07年1月に就任した東国原・宮崎県知事による「PR効果」を「要因」と報じるメディアもあったが、意外なことに「東効果」がそれほど大きく寄与したとはいえない。
「まあ、知事が就任したのは(07年)1月で、観光PRを始めたのが3月ぐらいなので、3月期の決算にそんなに大きな効果があったとは考えにくいです。むしろ3月以降に効果が出ていると実感しています。『知事を応援しに来た』『県庁にはどう行ったらいいのか』といった問い合わせもありますから」
「東効果」はこれからに期待、といったところのようだ。