中国の「食の安全」とは 都市部の金持ちだけのこと

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肉まん、気にする人は少なくなった

   厚労省のある関係者によると、「段ボール肉まん」情報については、懐疑的な職員が多かった。以前から中国の地元紙で「偽牛乳」や「偽食用油」などが報じられるが、いずれも結果的に「ガセネタ」扱いだった。また、実在するとしても、露天商がやったことで、日本の輸入に関係するような工場が関与することは「ありえない」と見ていた。

   「段ボール肉まん」を巡っては、中国現地では一時期、北京市が「大パニック」になっていた。J-CASTニュースが7月19日に現地の記者を取材すると、肉まんを食べる人がいなくなる現象まで起きていた、と明かした。「パニック」はまだ続いているのだろうか。北京在住ジャーナリスト陳言さんによると、「肉まんについては、特に気にしなくなった」そうだ。また、発表への懐疑論よりもテレビ局の「捏造だった」ということの方が受け入れられているようだ。

   しかし、陳さんは中国に偽食品が横行していることは間違いない、とも話す。飴で作った「蜂蜜」やただの水道水の「ミネラルウオーター」などだ。中国の経済成長が強調されているが、一方で貧しい人たちも多い。「食の安全は重要だが、それは都市部の金持ちにとってのこと」と指摘し、「食えるか食えないかのぎりぎりの人たちにとっては『食の安全』は高級過ぎる」と話した。それでも食の安全については「いくら報道しても多すぎるということはない」と安全への配慮の高まりを期待している。

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