参院選の投票を目前に控え、ポータルサイトも相次いで、ネットアンケートや、ブログの書き込み内容の調査結果を相次いで発表している。全体的には自民党への言及が多いが、書き込みの内容をよく見ると、批判的な声が多く、必ずしも「書き込みが多い=支持が多い」とはいかない現状が浮き彫りになってきている。
自民のキーワードは「過半数割れ」「逆風」「事務所費」
ブログでは、民主党より自民党の方が話題になっているようだ
例えばポータルサイトの「goo」のニュースページでは、各政党がブログでどれぐらい話題になっているかをグラフで表現した「参議院選挙をブログで読む」を開設している。それによると、久間章生前防衛相が失言で辞任した直後の2007年7月5日から、参院選が公示される7月12日までは、自民党と民主党がブログで言及された数は「抜きつ抜かれつ」で拮抗していたが、翌13日からは、自民党の方が微妙に優勢が続いている。
「ブログでよく語られているキーワード」のランキングを紹介しているサイト「kizasi.jp」でも、同様の傾向が見られる。同サイトでも参院選特集を組んでおり、「政党別ブロガー数ランキング」として、過去1週間で政党名を語ったブロガーの数を紹介している。それによると、自民党に言及したブロガー数は1,332なのに対して、民主党は1,061。ブログの中で紹介されたキーワードについても紹介されており、自民党についてのキーワードとしては「過半数割れ」「逆風」「事務所費」といったネガティブな言葉が並ぶのに対して、民主党側は「政権」「年金問題」「自治労」「黄門様」といった、傾向を想像しにくいキーワードが散見されるという状況だ。
こう見ていくと、ネット上では民主党よりも自民党に注目が集まる一方、自民党には「ネガティブな目」が集まっていると言えそうだ。
ヤフーが設置している政治情報サイト「みんなの政治」でも、この見方を裏付ける結果が出ている。「みんなの議員評価」というページの投稿数ランキング(週間)を見ると、「事務所費問題」「ガーゼ問題」などで騒がれた赤城徳彦農水相が487件でダントツだ。その後に、安倍晋三首相(157件)、麻生太郎外相(91件)、塩崎恭久官房長官(58件)、小沢一郎・民主党代表(同)が続く。
5点満点で赤城1点、安倍と塩崎1.5点、麻生2点
ベスト10のうち、自民党議員が7人なのに対して、民主党はわずか2人だ。これをみると、他サイト同様に自民党関係者が注目を集めていることがわかるが、同サイトでは、違う切り口での見方も提供している。投稿の際に、5点満点で政治家の評価を付けることができるのだ。それによると、自民党勢は赤城農相が1点、安倍首相と塩崎長官が1.5点、麻生外相が2点と、惨憺たる状況だ。小沢代表は対照的に4点と、かなりの高評価だ。 ちなみに6位には被災地の視察のことをブログで「珍道中」と書いて「炎上」した末松義規衆院議員(民主)がランクインしており(33件)、評価は1.5だ。
もはや、ネット利用者の目からすると「ヒールだらけの自民党と役者不足の民主党」ともいえそうな状況だ。ネットレイティングスの調べによると、ネット利用者の約35%が20~30代 (06年3月時点)。この世代の投票行動の影響力は小さくなさそうだ。
実際の投票行動はどうなるのだろうか。朝日新聞社が20~30代を対象にして行ったインターネット調査によると、第1回調査(5月11日~14日)では25%が「比例では自民に投票」と回答したのに対して「民主」と回答したのは26%と、互角だった。それが第11回調査(7月19日~23日)になると「自民17%、民主39%」と、大差が開いている。
今のところ、自民党敗北の流れは変わらないようだ。