与党の大敗がプラス要因として働くとの見方も
ただ、選挙結果次第で財政政策に大きな変化が生じれば、影響は無視できない。今回の参院選の場合、市場関係者の中には、与党大敗の影響について、プラスとマイナスの両面が指摘されている。「与党が大敗して、政局が大混乱し、市場が最も嫌う不透明感が広がれば、株価の上値は重くなる」とマイナス 面を訴える声も少なくない。「自民が負ければ、安部政権の財政再建や規制緩和が遅れるというネガティブなイメージが出てくる。そうなれば、外国人投資家は 嫌気して、一時的にでも、株価は下がる」との指摘もある。
しかし逆に、与党の大敗がプラス要因として働くとの見方もある。市場関係者の中には「与党大敗なら、消費税の議論や日銀の利上げも進まなくなる可能性があり、目先の株価にとっては悪くない」「外国人投資家は、小泉政権に比べて、安部政権の財政改革を評価しているわけではないから、安部政権が交代するような事態になれば、かえって日本株が買われる」との指摘もある。選挙結果の影響をどう読むか、さまざまな角度からの分析が盛んだが、極端な悲観論が少ないのは、実体経済が好調なせいだろう。