女子中高生のあいだで「デコリ」が大ブームになっている。「デコリ」という言葉は、「デコレーション(装飾)する」の略だが、ペンやシールなどを使って、携帯電話、鏡、スクールバッグ、プリ帳(プリクラの手帳)など身の回りの道具を飾ることをいうらしい。これが、女子中高生に大ブームになっているのだ。
筆記具業界がブームでホクホク
「デコリ」が女子高生のあいだでブームだ
「私ゎ、スクールバックにキーホルダーを付けたり落書きしたりするのにはまってます!!みんなゎ、どんなデコリ方してますかぁ??」
「私わ、とにかく鏡おでこるのが大すき☆毎日使うし、自分の物は、かわいくなくちゃ!(^^)!」「好きなンはダァリン・プリクラ・プリ帳ソノ他のデコリ」
女子中高生が多く集う掲示板やブログではこんな情報交換がされている。
「デコリ」だけでなく、「プリ帳デコリ」「デコリペン」「携帯デコリ」「ノートデコリ」、様々な言葉がさらに派生して使われる。
この「デコリ」ブームで熱くなっているのは筆記具業界だ。
パイロットコーポレーションは2006年12月20日に水性ボールペン「ラテ」を発売。プラスチックやガラスにも書くことが可能で、色も女子高生に人気のパステルカラーを中心に10色展開にした。当初は、年間販売目標を200万本としていたが、「デコリ」ブームに乗り、発売からわずか数ヶ月で当初目標の3倍に当たる600万本に年間販売目標を上方修正した。
同社営業企画部によれば、オフィス用にプラスチック素材にかける商品を発売したが、「実はそれほど必要ではないのでは」ということになり、女子中高生「デコリ」にターゲットを絞って商品開発したのが「ラテ」だった。
100本くらい持っている女子中高生もいる
「女子中高生の特徴は、カラフルなインク色、細い字を好む。20~30本、なかには100本くらい所持する人もいる。そして、筆入れも大きいです。女子中高生は仕事がお勉強じゃないですか。そういう意味で(筆記具は)一番身近にある存在なのではないでしょうか」
「デコリ」がブームになり始めたのはここ1~2年。10本くらいまとめ買いする女子高生も目立つという。筆記具業界も女子中高生を大きな「消費者層」として視野に入れないわけにはいかない。
「デコリ」で女子中高生のあいだで最もよく使われているのは三菱鉛筆のマーカーペン「ポスカ」。もともとは、プラスティックでも、インクがのるため、商店のホップ(札)や図画工作などに良く使われてきたもので、1983年発売の「定番」商品。しかし、「ポスカ」をつかった「デコリ」ブームは06年くらいから加速してきている」(三菱鉛筆広報)という。
三菱鉛筆は「デコリ」ブームに合わせて、「ポスカ」の新商品「細字POSCAラメ入り」を、07年7月24日から発売する。こちらも女子中高生に人気の「キラキラ」した素材をインク素材に使用。「化粧品感覚で(ペンを)買う」女子中高生のココロを掴みたい考えだ。