赤城徳彦農水相の事務所費問題で、安倍晋三首相はテレビ出演し、「光熱費は月800円ですよ(笑)」「月800円の光熱費おかしいんですかね(笑)」と、「800円」を半笑いで強調した。これには、同席していた野党党首から「いじましい感じ」と反発される一幕もあり、苦しい立場が浮き彫りにされた形だ。
野党党首から「罷免すべきだ」との指摘
安倍首相は「月800円で辞任要求するんですか(笑)」と述べた(フジテレビより)
赤城農相の政治団体「赤城徳彦後援会」の事務所経費に、10年間に約9,000万円を計上していた問題が2007年7月9日に放送された「報道2001」(フジテレビ)「NHK討論」(NHK)の党首討論でも話題になった。
この問題は、赤城農相の実家を「赤城徳彦後援会」事務所として、96年から10年間にわたって計上された約9,000万円の事務所費に対する「疑惑」。当初、赤城農相の両親も「事務所として使っていない」などと発言。さらに、後援会会長の元自民党県議も自身が後援会会長であることすら認識していなかった、とした。農相は07年7月7日の会見で、実家である事務所に活動実態があったなどと釈明している。
「報道2001」で、安倍首相は、赤城農相の会見での釈明について「しっかり説明したと思っている」と発言。野党党首からの罷免すべきだとの指摘には、
「光熱費は月800円ですよ。月800円で辞任要求するんですか(笑)」「光熱費800円ですよ(笑)」
と「800円」を強調。しまいには、「光熱費800円の人を辞めさせるんですか?他の人の事務所経費はどうなっているんですか」と今度は怒りに近い口調で、「民主党には人件費を数千万円使っている人もいる」などと民主党批判に摩り替える一幕もあった。
安倍首相の説明によれば、03年~05年について、事務所経費の書類を自ら確認したところ、光熱費は月800円だったということらしい。にもかかわらず、10年間で9,000万円にまで膨らんでいることについては、「かつてはたくさんの人を雇っていたんだと思う。中選挙区時代には私(安倍首相)の事務所にも倍くらいいた」と弁明している。