農家に宿泊して農作業を手伝う――団塊の世代をターゲットにした「修学旅行」がちょっとした話題になっている。団塊の世代には、土いじりをしたり、「田舎暮らし志向」が強く、ツアー客の増加に期待をかけている。
青森県南部町に2007年6月26日、JR東日本のびゅうトラベルサービスが企画した「大人の修学旅行」ツアーが入った。ツアー客はリンゴ、サクランボの摘果などの農作業を体験し、農家が作った郷土料理を楽しむ。
農家民泊の規制が緩和されたのがきっかけ
「達者村」では「グリーンツーリズム」を推進している(青森県南部町ウェブサイトより)
南部町は、04年度に青森県が策定した農林水産業と観光を結びつける「あおもりツーリズム」のモデル事業として「達者村」プロジェクトを立ち上げた。地域の特産品、郷土の歴史文化などを観光客に親しんでもらう企画だが、理念としては「観る」から「暮らす」にシフトし「新しい暮らしの旅を創造」できないかと模索していた。そこへ、06年11月に青森県が農家民泊の規制を緩和し、一般旅行客を農家に宿泊させることができるようになった。
これまでも、学校の修学旅行生や農業研修の宿泊を同町の農家は受け入れたが、一般観光客を農家宿泊させるのは今回が初めてになる。同日に来町したのは、東京、千葉、群馬県の60代から70代の男女3人。2泊3日日程で農作業をして田舎暮らしを体験する。
びゅうトラベルサービスは今回のツアーについて、J-CASTニュースに対し、
「数年前からグリーン・ツーリズムのツアーはあった。しかし、内容は日帰りが多く、農家民泊というのは非常に珍しい」
と話している。